2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『「先生」は明治の精神に殉死する』

『「先生」は明治の精神に殉死する』 「平成版の薩長土肥連合、来年が明治150年。日本にとって明治とは何だったのだろう」と、「春秋」(日経/2016/1/31付)は思う。「夏目漱石『こころ』の最終段、『先生』は明治の精神に殉死すると語る。徳川時代の古い道徳…

『私ども日本人が決して忘れてはならない』

『私ども日本人が決して忘れてはならない』 「『役に立たねえ兵隊を、飼っとく余裕はねえ』。そう言われた大岡昇平さんは、彼自身フィリピンの戦場で手榴弾で自ら死のうとした」(『野火』)。この第二次大戦について、「筆洗」(東京新聞/2016/1/30)は記す。…

『ふたをすると、ふたつ減るものは何?』

『ふたをすると、ふたつ減るものは何?』 「筆洗」(東京新聞/2016/1/29)からなぞなぞ。「ふたをすると、ふたつ減るものは何?」。甘利さんは、「大臣室などで業者側から現金を二度受け取ったが、秘書に適切に処理するよう指示した。曰く、業者側から提供され…

『異界から来る珍しいまれびとは俗界に幸福をもたらす』

『異界から来る珍しいまれびとは俗界に幸福をもたらす』 「英国の女性旅行家バードが、『日本の旅は絶対安全』とまで書いた」この日本、「余録」(毎日新聞/2016/1/28)は、これからの海外旅行者への対応として、民泊への取り組みを挙げている。「空き部屋や個…

『フォードが日本を見限った「っぽい」話』

『フォードが日本を見限った「っぽい」話』 「フォードが年内に日本から撤退する。撤退の判断も分かる。少子高齢化。若者には車に興味を持つ余裕さえない現在の日本である」と、「筆洗」(東京新聞/2016/1/27)は述べる。「米国は、あらゆるものを『民主党っ…

『大人から見ても魅力的な授業? 「せんせいたべちゃった」』

『大人から見ても魅力的な授業? 「せんせいたべちゃった」』 ある内気な少女が詩の朗読をきっかけに「積極的に発言し、おしゃべりもする」ようになったと、「筆洗」(東京新聞/2016/1/26)は、暖かい話を伝えてきた。「ある日、こんな宿題が出た。『自分の気…

『「自分もこんな先生になりたい」と願う。忘れないで欲しい』

『「自分もこんな先生になりたい」と願う。忘れないで欲しい』 「約7年前だが、大分県を舞台にした教員の採用をめぐる汚職が摘発されたことがある」。「春秋」(日経/2016/1/25付)は、言う。「『先生とカネ』の問題の根は、意外に深いのかもしれない」と。そ…

『捨てるゴミを減らす。捨てたものは、その先まで関心と責任を持つ』

『捨てるゴミを減らす。捨てたものは、その先まで関心と責任を持つ』 「明治の日本には、いったん捨てられた食品を回収して売る商売が結構あった」。「春秋」(日経/2016/1/24付)は、「もちろん、現代では成り立たないビジネスだ。……と言いたいところだが、ど…

『倉の内の財は朽つること有り、身の内の財は朽つること無し』

『倉の内の財は朽つること有り、身の内の財は朽つること無し』 教科書は、昔も今も版元には安定した収入源、これをより販売促進するために努力をする。「余録」(毎日新聞/2016/1/23)は、寺子屋での教科書(往来物)である「実語教」の言葉を用いて、教科書会…

『記憶があいまいなところがある』

『記憶があいまいなところがある』 「甘利明・経済再生担当相や秘書らが千葉の建設会社側から総額千二百万円にもなる現金や接待を受けていた」ことに関する国会の委員会での大臣の記憶について、「筆洗」(東京新聞/2016/1/22)は、その記憶を考える。「オース…

『衆院の「1票の格差」を是正できぬ不届き者』

『衆院の「1票の格差」を是正できぬ不届き者』 「春秋」(日経/2016/1/21付)は、自民党の衆院の「1票の格差」への態度を「小ずるい不届き者」中部地方法の方言も用いて「横着い」と表現する。「やるべきことをやらず、自分勝手で、助言もどこ吹く風……。第三…

『知らずに食べて「横流しのごみ」』

『知らずに食べて「横流しのごみ」』 「落語『風呂敷』には『上げ潮のごみ』という悪態が出てくる」。「余録」(毎日新聞/2016/1/20)は、このゴミに係り産廃業者「ダイコー」から食品関連会社「みのりフーズ」に渡った食品廃棄物の横流しについて、「まさにご…

『事故のたび再発防止が叫ばれるが、悲劇は理不尽に繰り返される』

『事故のたび再発防止が叫ばれるが、悲劇は理不尽に繰り返される』 「『慟哭』としか表現しようのない遺族の声を事故の現場で何度も聞いた」。「春秋」(日経/2016/1/19付)は、このような状況に対して、「ずさんな業者や人的なミスを徹底して排除するのは当然…

『若いOBがこう話したのだ。「田舎の大学はよせ」』

『若いOBがこう話したのだ。「田舎の大学はよせ」』 「米国の高校での最終学年の生徒への説明で、「若いOBがこう話したのだ。『田舎の大学はよせ』。『退屈でアルコール依存症になるぞ』」と。「春秋」(日経/2016/1/18付)は、「大都会の悪い遊びに染まる…

『親のアイドルを探そう。効果がなかったとしても、その作業・・・』

『親のアイドルを探そう。効果がなかったとしても、その作業は親との会話』 「筆洗」(東京新聞/2016/1/17)は、米ドキュメンタリー映画「パーソナル・ソング」(二〇一四年)を紹介する。「無気力でふさぎ込み、娘のことさえ忘れていたお年寄りたちが音楽を聴…

『阪神大震災から明日で21年。外国人とともに生きるために・・・』

『阪神大震災から明日で21年。外国人とともに生きるために必要なことを考える機会でもある』 「浜松市で先月開かれた震災訓練に集まってきた人たちだ。外国人住民もけが人の役になり、手当てを模擬体験した」。「春秋」(日経/2016/1/16付)は、「大地震が起こ…

『みんな、「戦さになってしまって」とか、「戦さが起ってしまって」

『みんな、「戦さになってしまって」とか、「戦さが起ってしまって」とか云(い)ってるよ』 「折々のことば:281」(鷲田清一/朝日/2016/1/15)、「戦後何年経っても、『私が戦争をはじめました』と認める人はついにいなかったと作家は言う。気がつけばそ…

『旅先で腹を満たし、「生きていることが有難くならな・・・』

『旅先で腹を満たし、「生きていることが有難くならなければどうかしている」』 「鉄道ファンにも色々ある」と「天声人語」(朝日/2016/1/14)は、「乗り鉄」「撮り鉄」「呑み鉄」等々を紹介する。また、内田百けんや吉田健一を。「百けんは特急で大阪に向かう…

『74年間ホテルの地下に眠っていた品々』

『74年間ホテルの地下に眠っていた品々』 「米国で100万部以上売れたベストセラー小説『あの日、パナマホテルで』の舞台となったパナマホテルの地下には和式の銭湯があり、日本からの移民でにぎわった。そこには強制収容される直前に人々が残したスーツ…

『2006年初場所での栃東を最後に、日本人力士は賜杯に手が届かない』

『2006年初場所での栃東を最後に、日本人力士は賜杯に手が届かない』 「この国の若者らは伝統的な心技体の鍛錬に背を向けたかのようだ」と、「春秋」(日経/2016/1/12付)は、大相撲での日本人力士の弱体を思い、またモンゴル出身力士に係り、歴史家の岡田英弘…

『こみ合へる電車の隅にちぢこまるゆふべゆふべの・・・』

『こみ合へる電車の隅にちぢこまるゆふべゆふべの我のいとしさ』 「石川啄木は、創作の一方で新聞社で校正係として勤務していた。通勤電車の中で『ちぢこまる』自分がいとおしく、褒めてやりたかった。」「筆洗」(東京新聞/2016/1/11)は、成人の日に当たり啄…

『日本が世界に誇れるものは多いけれど、こうも自分褒めが・・・』

『日本が世界に誇れるものは多いけれど、こうも自分褒めがはやるのは自信喪失の裏返しか』 「泣きたいくらいに美しい――。ドイツの建築家、ブルーノ・タウトはかつて京都の桂離宮を訪れ、こんな賛辞を残した」と。「春秋」(日経/2016/1/10付)は、「1人当たり…

『ドジャーズの前健、赤から青へ。信号機なら「ゴー」である』

『ドジャーズの前健、赤から青へ。信号機なら「ゴー」である』 「ケンの名がつく日本人選手は米国であまり実力が発揮できていない。高橋建、田中賢介、川上憲伸各選手。印象を残したのは城島健司捕手ぐらいか」と、「筆洗」(東京新聞/2016/1/9)は、述べなが…

『「あらゆる手段」は我らがマエストロ、日銀の黒田総裁の口癖』

『「あらゆる手段」は我らがマエストロ、日銀の黒田総裁の口癖』 グスタフ・マーラーは「あらゆる手段」で、交響曲などで理想を追った。黒田日銀総裁も「あらゆる手段」で日本経済を何とか立ちなおせるのか。「春秋」(日経/2016/1/8付)は、「日銀には歴代、…

『水爆実験、ヒロシマとナガサキで・・・「民族史的大暴挙」』

『水爆実験、ヒロシマとナガサキで焼かれた幾万の韓国・朝鮮人の残影を踏みにじる「民族史的大暴挙」』 「昨夏の終戦七十年の節目に出版された『平和をとわに心に刻む三〇五人詩集』」を「筆洗」(東京新聞/2016/1/7)は紹介する。「生涯をかけて見るはずだっ…

『寒太郎も目が離せないエルニーニョ坊やの気まぐれだ』

『寒太郎も目が離せないエルニーニョ坊やの気まぐれだ』 「『ぶるぶる』や『ぞくぞく』は体の反応で、『しんしん』は空気が冷えるさまだ。きょうは二十四節気の小寒)、これから大寒をはさんで立春前日の節分までの30日間が寒の内で、1年で最も寒い時期と…

『「戦後」は本当に終わったのだ。そう胸を・・・』

『「戦後」は本当に終わったのだ。そう胸を張って言えるような社会を目指したい』 「年頭の記者会見で安倍晋三首相が触れたように、経済白書が『もはや戦後ではない』とうたったのは、60年前の1956年だった」。「春秋」(日経/2016/1/5付)は、「興味深いこと…

『顔を忘れ、名前を聞いても分からないとき、・・・』

『顔を忘れ、名前を聞いても分からないとき、当時のあだ名を聞いた途端、誰だか思い出す』 「あいつ『ウルトラQ』のM1号に似てないか…」、「筆洗」(東京新聞/2016/1/4)は、年始の帰郷に合わせての同窓会、「あだ名の全国共通化現象」である「ウルトラQ」…

『この季節、ひたむきに走る人々を見ると胸が熱くなる。』

『この季節、ひたむきに走る人々を見ると胸が熱くなる。』 「元日の上州路でも昨日の箱根路でも、重圧に耐え、歯をきしらせてタスキを運ぶ姿にくぎ付けになった」と、「天声人語「朝日/2016/1/3)は述べる。「選手の人気は俳優なみ。駅伝で活躍した学生が大手…

『生酔の礼者を見れば大道を横すぢかひに春は来にけり(大田南畝)』

『生酔の礼者を見れば大道を横すぢかひに春は来にけり(大田南畝)』 「世界も日本も引き続き大小様々な変化にもまれるのだろう」、「天声人語」(朝日/2016/1/1)は、「今は時代の節目、その節目の時代は長く続く。エネルギー資源の限界を克服できなければ、『…