2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

自然のままはや許されぬ、不自然な世界に人類は住んでいる

自然のままはや許されぬ、不自然な世界に人類は住んでいる インドの猛暑へ、東京新聞「筆洗」(2015年5月31日)は、雨乞いを。「木の上で人が寝ている。寝ているどころか、どうやら、この木の上で生活しているようだ。人が涼しさを求め、木の上で寝ることと、…

新しい土地にかける夢、しばしの中断を強いられた

新しい土地にかける夢、しばしの中断を強いられた 口永良部島の皆さんの努力が火山の噴火で消えて行く。日経「春秋」(2015/5/30付)は、自然の無慈悲を伝える。「『不在だった医師がついに決まりました!』と島紹介のホームぺージにある。島の名は鹿児島県屋…

明らかな反則を「神の手」とたたえる、そんなファン気質

明らかな反則を「神の手」とたたえる、そんなファン気質 FIFAの幹部らの不正問題を、日経「春秋」(2015/5/29付)では、サッカーのスポーツとしての不条理性と米国ファンの気質から、その行動を指摘している。 「サッカーは不条理のスポーツだと。圧倒的に…

ナッシュ夫婦、向こうでも寄り添い支え合っているに違いない。

ナッシュ夫婦、向こうでも寄り添い支え合っているに違いない。 ジョン・ナッシュが交通事故で亡くなった。日経「春秋」(2015/5/28付)は、この学者のゲームの理論と夫婦について論じている。「『結婚はもっとも不思議な人間関係である。うわべだけに見えて、…

互いの違いを生かしあう。多様性を尊ぶことで社会は強くなる

互いの違いを生かしあう。多様性を尊ぶことで社会は強くなる 朝日「天声人語」(2015年5月27日付)は、北区議になった斉藤さんの話から、多様性を尊ぶべきと述べている。「多数派が当たり前と思っていることが、少数者には厚い壁となって立ちふさがる。耳が聞…

今も流通しているシリアの旧500ポンド紙幣は…

今も流通しているシリアの旧500ポンド紙幣は… 毎日新聞の「余録」(2015年05月26日)によると、「今も流通しているシリアの旧500ポンド紙幣は女性の横顔が描かれている。3世紀にパルミラ王国を率い「東方の女王」と呼ばれたゼノビアである。「ローマ帝…

歩道橋、あの長い階段がますますつらい

歩道橋、あの長い階段がますますつらい 歩道橋から高齢者社会の在り方を問いかける日経「春秋」(2015/5/25付)。「『交通戦争』という言葉が生まれたのは1961年だった。日清戦争での日本側の死者を交通死は上回っている、これはもうクルマと人間との戦争だと…

本屋さんはどんな姿になって行くのか

本屋さんはどんな姿になって行くのか 本屋さん、デジタル化が進む中での新たな試みを日経(「春秋」2015/5/24付)は、紹介している。「今月、東京の銀座に『一冊の本しか売らない本屋さん』が開業した。東京都が歴史的建造物に指定したという昭和4年完成の…

理解しようとしなければ、偏見や憎しみは消えない

理解しようとしなければ、偏見や憎しみは消えない 人類の歴史は、未だに闘いの歴史であり、また日々、それぞれの私たちの生活の中で自分の存在を優位にしようという抗争が続き、そこに偏見や差別も生まれ、暴力、貧困、憎しみが続く。この度、戸田章子さんは…

どんな制度改革も力の及ばぬ熱い領域が、教育にはある

どんな制度改革も力の及ばぬ熱い領域が、教育にはある 日経「春秋」(2015/5/22付)は、教員採用の全国共通試験の提言に対して、藤沢周平の教員時代の思い出から疑問を示している。「戦後まもないころ、師範学校を出たばかりの小菅留治先生は山形県の小さな中…

簡易宿泊所の火災、問題は施設の防火体制だけにとどまるまい

簡易宿泊所の火災、問題は施設の防火体制だけにとどまるまい 日経「春秋」(2015/5/21付)に、川崎での簡易宿泊所の火災の問題について、高齢者問題の一例として指摘している。「戦後70年を振り返れば、火災の歴史も社会の移り変わりと無縁でないことがわか…

最初から旧競技場を改修してもよかったのではないか

最初から旧競技場を改修してもよかったのではないか 毎日新聞「余録」(2015年05月20日)に、古代ポンペイの闘技と、ら国立競技場の新築を比較している。「ベズビオ山の噴火で埋没した都市ポンペイの遺跡、円形闘技場のイベントの広告に、『10組の剣闘士の…

常にファイティング・ポーズを取っている人、橋下市長

常にファイティング・ポーズを取っている人、橋下市長 日経「春秋」(2015/5/19付)、「音声、字幕とも消して映像を見たならば、勝者と敗者を取り違えそうになる。『大阪都構想』の住民投票、敗れた橋下徹・大阪市長は、ビッグマッチを普段どおりの力で制し…

サンドイッチ、葉山で潮風の中で食べられれば幸せ

サンドイッチ、葉山で潮風の中で食べられれば幸せ 日経の「春秋」(2015/5/18付)で、あるサンドイッチ店について述べている。東京・大手町に先月末、1軒のサンドイッチ店が開業した。ビル内の他のテナントは大手資本のチェーンが多いがここは違う。神奈川…

国家公務員の朝型勤務より、議員の整理を

国家公務員の朝型勤務より、議員の整理を (毎日「余録」2015年05月17日) 世界文化遺産への登録勧告で脚光を浴びる韮山反射炉を築造した江川英龍は江戸幕末期の代官だった。今になぞらえれば、スーパー公務員とでもいうところか。だがその英龍、あまりの激…

「夏の生活スタイル変革」キャンペーン「ゆう活」、悠、友、遊、優

「夏の生活スタイル変革」キャンペーン「ゆう活」、悠、友、遊、優 (日経「春秋」2015/5/16付) ゆうやけ時に/悠々とした時間が生まれる。/友人と会える。/遊ぶ時間が増える。/家族で過ごす優しい時間ができる――。政府による「夏の生活スタイル変革」キ…

圧政への勝利を祝い、別の圧政に手を染める、狂言の材にもならぬ

圧政への勝利を祝い、別の圧政に手を染める、狂言の材にもならぬ (日経「春秋」2015/5/15付) 京都で狂言の修業に打ち込んでいる30代のチェコ人男性にインタビューをしたことがある。「多くの観客を前にして、宗教上や政治上の権力者を手玉に取る内容を堂々…

アリストテレスは、今のギリシャの混乱をさぞ嘆くだろう

アリストテレスは、今のギリシャの混乱をさぞ嘆くだろう (日経「春秋」2015/5/14付) 国の財政は人々がより豊かになるためどうあるべきか。「現在手にしているものに付け足しをすることだけでなく、支出を削減すること」アリストテレス(「弁論術」)。気前…

日本の水族館が太地からイルカを調達しているのはけしからん

日本の水族館が太地からイルカを調達しているのはけしからん (日経「春秋」2015/5/13付) 映画「ザ・コーヴ」が、アカデミー長編ドキュメンタリー賞を取ったが、その演出はひどく強引で、ドキュメンタリーと呼べるのかどうかにも首をかしげた。けれど欧米な…

内外で情報格差が生まれているのでは。いささか心配になる

内外で情報格差が生まれているのでは。いささか心配になる (日経「春秋」2015/5/12付) 日本で初めての国際的な防衛イベント、明日から横浜で開かれる。主な行事は海洋安全保障にかかわる国際会議と展示会だ。題して「MAST Asia」。主催者によると…

「国会の仕組み」を変えたい

「国会の仕組み」を変えたい (朝日「天声人語」2015年5月11日(月)付) 改憲護憲、連休中に載った本紙世論調査の結果が興味深い。「国会の仕組み」と答えた人が一番多かった。政界の改憲派が狙う「本丸」は9条だ。改憲派の有権者との間には意識のずれがあ…

延びていく大名道路を支える力が人口減の国にありや

延びていく大名道路を支える力が人口減の国にありや (日経「春秋」2015/5/10付) 悪路また悪路、「どうやら日本の旅には、水陸両用戦車が要るのではないか」と阿川弘之さん、。1958年、若き日の作家がクラウンを駆って東北地方を巡ったときのルポ「一級国道…

大英帝国、SNP大躍進は何の兆しか。

大英帝国、SNP大躍進は何の兆しか。 (日経「春秋」2015/5/9付) 「知の怪物」の南方熊楠は、8年間ロンドンに遊学。世はビクトリア朝の末期。パックス・ブリタニカを謳歌する都。当時の日記をみると、ハイドパークのスピーカーズコーナーへ頻繁に立ち寄…

箱根山、人間が一丸となって荒ぶる自然とどう向き合うか

箱根山、人間が一丸となって荒ぶる自然とどう向き合うか (日経「春秋」2015/5/8付) 獅子文六の「箱根山」は、産業史に残る「箱根山戦争」であった。西武グループと小田急・東急グループが繰り広げたこの観光開発の角逐は、まさしく仁義なき戦いだった。抗…

まことに小さな国が、開化期をむかえようとしている

まことに小さな国が、開化期をむかえようとしている (朝日「天声人語2015年5月6日(水)付) 九州在住の俳人、岸原清行さんの一句「野分波軍艦島は航く如し」。長崎市沖に浮かぶ端島は、軍艦島の方が通りはいい。周囲約1・2キロをコンクリートで固め、高…

子供の遊びの世界に親の人形などありえない

子供の遊びの世界に親の人形などありえない (東京新聞「筆洗」2015年5月5日) 日本の香山リカさん(11)と米国のバーバラ・ミリセント・ロバーツさん(17)。お二人の女性の最大の違いは「家族」かもしれない。「リカちゃん」シリーズにはお父さん、お…

「ジャポニカ学習帳」の表紙に昆虫のアップを

「ジャポニカ学習帳」の表紙に昆虫のアップを (日経「春秋」2015/5/5付) 子どもたちが大好きだった昭和生まれの怪獣には、セミやガなど昆虫がモチーフになった。正義のヒーロー、仮面ライダーだって、もともとモデルはバッタだ。あのころ子どもたちは、近…

緑があることの幸せを考えよう

緑があることの幸せを考えよう (毎日「余録」2015年05月04日) 幕末から明治に来日した英国公使夫人のメアリー・フレーザーは、「松の木に縁取られた日本の山ほど、ひとつひとつがこの世ならぬ個性の美しさをたたえているものはない」。「曲線や突起のある…

歴史に見る通り、一度失った自由は容易に取り戻せない

歴史に見る通り、一度失った自由は容易に取り戻せない (朝日「天声人語」2015年5月3日) 時代の変化に的確に対応することは難しい。将基面貴巳さんが昨年出した『言論抑圧』が描く戦前日本の姿だ。東京帝大教授だった矢内原忠雄は1937年、軍国化を進め…

医の道はどうも医療側に寛容で、患者に厳しいらしい

医の道はどうも医療側に寛容で、患者に厳しいらしい (日経「春秋」2015/5/2付) 医道という言葉がある。医療にたずさわる人々に求められるものは何か。患者への誠意であり、邪曲を許さぬ正義感であるのだと、この古めかしい表現は教えていよう。道徳、道理…