2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

スローモビリティー 230831

75年ぶりの宇都宮での路面電車開業に『余録(230829)』は思う▲黒の車体に黄色で稲妻がデザインされた最新鋭の車両にチンチン電車の面影はない。人に優しいバリアフリーの超低床式車両は復権が先行した欧州発の技術▲吉見俊哉国学院大教授は「スローモビリティ…

強欲はあだですよね、習近平さん 230830

月の南極付近への探査機の着陸にインド宇宙研究機構の成功に『滴一滴(230826山陽新聞)』は思う▼月の水資源は、人間が長期滞在するための飲料水や酸素、燃料用の水素の原料に活用できるとして各国が注目する。インドは月探査で得られる資源やデータの扱いにつ…

「角栄節」、演説は誰が聞いても分かるように 230829

政治家の演説力を人工知能(AI)を使って診断するサービス『滴一滴(230825山陽新聞)』は思う▼「角栄節」と呼ばれた田中角栄元首相の演説は、緩急自在の展開で聴衆を引きつけた▼田中氏は「私の演説は誰が聞いても分かるようにできている。何百人いても一人…

9月1日がくる 230828

かれこれ50年近くたって夢魔に襲われるとは、『天風録(230827中國新聞)』は「学校の夢を見た」と言う家人の夢に思う▲学校の圧力は、なかなか抜けてくれない▲登校を渋る子にどう接すればいいか。判断材料をくれる「学校休んだほうがいいよチェックリスト」が…

マグショット 230827

拘置所でのトランプ前米大統領の「マグショット」に『筆洗(230827)』は思う▼政治家のプロフィル写真。日本の政治家はあまり笑っていないが、米国の政治家はだいたい歯が見えている▼この政治家の顔写真に笑いはない▼写真の前大統領、今にもかみつきそうな顔を…

飲みニケーション 230826

なじみのスナックが閉店に『日報抄(230826新潟日報)』は思う▼飲み会での言動には十分気を付けないといけない時代だ▼とはいえ、飲み会には効用もある。相手との距離が縮まるし、ストレス発散にもなる。酔った先輩から教えてもらったことは数え切れない。仕事…

なぜ謝らないのか 230825

安倍政権と東電は処理水の扱いについて福島県漁連に文書で伝えた。〈関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない〉。それがほごにされたことに『天風録(230825中國新聞)』は思う▲浪江町で漁業を営む男性に電話をかけると怒気をはらんだ声が返ってきた。「補…

消費・賞味期限と食品ロス 230824

スーパーなどでの買い物の際、食品棚の前で時折迷ってしまうと『滴一滴(230822山陽新聞)』▼秋田県の2年前の調査では、手前から取る人は15%。こんな人をもっと増やし、社会全体の食品ロスを減らそうという「てまえどり(手前取り)」の取り組みが、各地に…

収蔵品は人類の歩みを示す世界の宝 230823

大英博物館の収蔵品に紛失や盗難、損傷があったとして先週、職員1人の解雇が発表されたことに『余録(230822)』は思う▲失われたのは展示はされず、研究のために保管されていた▲今回は職員の関与が疑われるため館内の衝撃は大きい▲大英博物館に対しては、ギリ…

水に流されては 230822

福島第一原発の処理水について『天声人語(230822)』は思う▼中国政府は「安全ならば、海に流す必要がない」と▼ひどく乱暴な主張である。ただ、日本政府の姿勢も胸を張れるものには思えない▼気の遠くなるほどの大量の地下水は雨水が原発内に入り込み、放射能に…

過度な車依存から脱したい 230821

交通渋滞を『金口木舌(230821琉球新報)』は思う▼子どもたちを自動車で送迎する時間帯は決まって交通渋滞が生じる。夏休み期間中、この渋滞は幾分和らぐ。改めて県民の車依存を実感する▼今月で沖縄都市モノレールは開業から20年を迎えた。モノレールがなけれ…

復興に汗を流す大人たちの姿を 230820

子どもたちが、震災と原発事故からの復興を発信する「ジャーナリストスクール」に『編集日記(230820福島民友)』は思う▼ドローンによる測量や設計、人材育成に携わる企業・団体などを取材し、新聞を作った。復興に汗を流す大人たちの姿を伝える中で「自分も福…

世界人道デー 230819

「人助け指数」(2021年)に『余録(230819)』は思う▲「見知らぬ人や、助けを必要としている人を助けたか」「寄付をしたか」「ボランティア活動をしたか」という問いに対する各国の人々の答えを英国の慈善団体CAFが集計▲日本は119カ国・地域中118位▲遠く離れた…

太閤忌 230818

きょうの「太閤忌」に豊臣秀吉を『有明抄(230818佐賀新聞)』は思う◆秀吉の晩年、冷酷な権力者として、天下統一に飽き足らず、朝鮮出兵◆1598年の旧暦8月18日、秀吉は61歳で亡くなる。文禄・慶長の役が終わるきっかけになった。力を誇示し、権謀術数…

虫捕り 230817

夜に出歩く機会が増えたと『談話室(230817山形新聞)』。町外れの街灯や自動販売機。クワガタやカブトムシなどは蒸し暑い夜に活動的になり照明に集まる▼養老孟司さんは、子どもの遊びには虫捕りが良いと説く。虫を見つけたら筋肉を動かして捕まえ、調べ、標本…

司馬遼太郎生誕100年 230816

生誕100年の司馬遼太郎に『有明抄(230816佐賀新聞)』は思う◆司馬さんの小説には、「昭和」を題材にした小説は見当たらない。敗戦の年、学徒動員で戦車兵となった。この時代を調べ、ノモンハン事件を書こうとしたが、書けずに終わった。司馬さん「昭和という…

敗戦から78年 230815

この日に各紙は平和を思う。▼「ずっと戦後であってほしい。戦争だけは絶対に始めてはいけない」(有明抄)▼七十八年前の終戦の日から、日本は「伝言ゲーム」を懸命に続けているのだろう。戦争の恐怖と非情さ。非人間的な暮らし。それが終わり、人々が心から…

ポイント 230814

マイナンバーカードとマイナポイントを『大観小観(230813伊勢新聞)』は思う▼「みんな飛び込んでますよ」が日本人を沈没船から避難させるのにもっとも効果ある呼びかけというのが「沈没船ジョーク」▼「日本は欧米に比べて同調社会」▼相次ぐミスで国民の評判が…

道路はどうあるべきか 230813

道路の舗装に『余録(230813)』は思う▲日本の道路整備が本格化したのは戦後のことだ▲途上国ではいまも、未舗装の道路が多い。アジアやアフリカのインフラ整備に一役買っている中小企業がある。東京都杉並区のSPECだ▲カルシウムなどが入った粉末を土に混ぜて固…

危険性への意識を 230812

熱波に名前を付けようとうい動きに『天声人語(230812)』は思う▼世界中が酷暑にあえいでいる。この危険な暑さに対する市民の意識を高めようと欧米で▼イタリアでは大手気象サイトがダンテの『神曲』から最初の熱波をケルペロス、次はカロンと名付けた▼世界気象…

高きが故に尊からず 230811

きょうの「山の日」に『有明抄(230811佐賀新聞)』は思う◆吉田類のNHKの『にっぽん百低山』は、全国各地の身近な低い山の魅力を伝えている◆先月の放送では佐賀県の黒髪山(516m)と天山(1046m)が続けて登場した◆低くても魅力的な山がある。地元の人に…

赤い鳥居をくぐり 230810

夏休み、『談話室(230809山形新聞)』はラジオ体操を思う▼赤い鳥居をくぐり勢いよく駆け出す男の子に道端で出くわした。ラジオ体操を終え家に帰るのだろう。夏休みらしい光景に心が和んだ▼広く国民に知られたラジオ体操は1928年に「国民保健体操」の名称で始…

“いない誰か”を思う日になりつつある 230809

25年前の秋、「高校生平和大使」と訪ねたニューヨークの学校での出来事を『水や空(230809長崎新聞)』は思う▲『サバイバー』、「生き残り」と呼ぶのは、皆、死んだはずだ、とか、死んだかもしれないと考えていたからだ▲ナガサキから来た私たちと会ったきょう…

科学は身を助く 230808

無人島に1冊だけ本を携えるとしたら、高校時代の物理学の教科書と『春秋(230801)』はアンディ・ウィアー「プロジェクト・平ル・メアリー」より思う▼「科学は身を助く」。誰にも頼れない孤独で過酷な状況を、主人公は身につけた物理や化学や生物の知識を支え…

広島や長崎の現実を人々は感じよ 230807

8月6日に『国原譜(230806奈良新聞)』は、思う。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻では、ロシア側に核兵器の使用をほのめかす発言も出ていて不安になる。「日本は核を持つべきだと私は考えます」。こう言うのは家族人類学者のエマニュエル・トッド氏。著書…

誰のための原爆か。誰のための戦争か。 230806

8月6日に『春秋(230806)』は原爆を思う▼日本には「模擬原爆」を含めると49発投下された▼全国で400人以上が犠牲になった。単機で飛来し妙に大きな爆弾を1発だけ落とす不思議なな空襲▼ノンフィクションライター、関千枝子氏の著作「広島第二県女二年西組」があ…

富士山の信仰は、その美しさからはじまったわけではありません 230805

「弾丸登山」に『筆洗(230805)』は思う▼軽い気持ちでは登れない山のはずだが、十分な準備をしないまま登頂に挑む外国人観光客がいると▼日本一高い山の厳しい環境への理解が足りないのかとも思うが、日本人にも、御来光を拝む目的で夜通し登る「弾丸登山」を…

台風、炎天下、夏休み、宿題 230804

台風6号に八方ふさがりの沖縄に『天風録(230804中國新聞)』は思う▲那覇空港にはキャンセル待ちの人がずらり▲台風最接近に備えた買いだめの動きもあり、スーパーでは生鮮食品が品薄に。県内約4分の1の世帯で停電となり、観光客はもちろん台風に慣れっこの島民…

子どもの声が届かない 230803

「長野の子ども白書」に『天風録(230802中國新聞)』は思う▲井上ひさしさんは長く覚えていた。〈胸のどきどきとくちびるのふるえと〉と題する一編▲「詩は劣等感で押しつぶれそうになっていた田舎の新制中学生を、以後何百回と励ましてくれた」▲「白書」の最新…

遠ざかる戦争の記憶 230802

<八月や六日九日十五日>。戦後78年になる今年も、この時季が巡ってきたと『明窓(230802山陰中央新報)』▼ただ昭和が遠くなり、この俳句の日付と句意がピンとこない世代も増えているようだ▼それもそのはず。戦争の記憶がある人は、もう10%程度しかいな…