2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「コワーキングスペース」や「シェアオフィス」

(日経/春秋)東京都心の渋谷や原宿が新しい大型商業施設の開業にわいている。「コワーキングスペース」や「シェアオフィス」と呼ばれる雑居形式の仕事場だ。主な利用者は個人で働くデザイナーやコンサルタントなどで、雰囲気は図書館の閲覧室に似ている。英…

補助金のあり方

(日経/春秋)障害者の親、自分がいなくなった後はどうするのか――。ヤマト運輸を育てた小倉昌男さんが福祉の仕事を始めて思ったのは、保護されたままでは、本人が困るということだった。障害を持った人が働く場は十分でない。そこで自活を促そうと、焼きたて…

長寿を享受する人自身が身を処す術を考えねばならない

(日経/春秋)天皇、皇后両陛下が火葬を希望し、あわせて葬儀を簡素にするよう求められているという。「天皇の遺言」、その意志とは、平成の次の時代を生きる人々に負担をかけまいというお気持ちだと推察する。生物学者・本川達雄さんは、動物にとっては長生…

裁判官は検察官に対し厳しい批判者の姿勢を貫かねばならない

(日経/春秋)「裁判について考える」という谷口正孝元最高裁判事(故人)の著書がある。裁判を考えるスタートラインに戻りたいときは読み返している。裁判とは国民の基本的人権、自由を公権力から守るためのものだ。だから国民に裁判を受ける権利があるので…

「何ものをも恐れず、良心のみに従い職務の遂行に当る」

(日経/春秋)ストーカー規制法ができたのは12年前のことだ。きっかけは埼玉県桶川市で女子大生が殺害された事件だった。このときの教訓は、いったいどこへいってしまったのか。今度は千葉県警である。警察に寄せられる相談はストーカー関連だけで年間1万8…

防ぎうる悲劇を、繰り返してきた過ち。世を挙げてそれを断ち切らねば

(日経/春秋)1968年に文部省は、集団登下校の注意点について通達を出した。増えるクルマが生活道路にもあふれ、対策が迫られていた時代だ。それから40年余。交通事故の死者は大きく減り、自動車の安全性も向上したけれど通学路の悲劇は絶えることがない。お…

知性は様々な個性がぶつかり合う場所でこそ磨かれる

(日経/春秋)9月入学の米欧では、ちょうど今が入試の結果発表と入学手続きの時期。中にはハーバードやイエールなど米国の名門大学から、次々と合格通知をもらう日本人の高校生もいる。横浜の女子生徒は、出願した米国の大学のほとんどから入学許可が来た。…

原節子さんが今ブーム

(日経/春秋)政界などには、辞めろと言われても辞めない人。辞めるはずだったのをやめた人。それに対して、すうっと消えて二度と姿を現さぬスターがいる。原節子さんはその代表だろう。15歳で銀幕にデビューし、1962年を最後にいっさいの映画に出なくなった…

近づく危機を見据え、知恵の蓄積や友人同士のつながりで備える

(日経/春秋)ふだん通勤や通学で使っているカバンの中身や、ひごろ身につけている普通の物。仮に東京を大災害が襲ったとき、その中で意外に役立つ物は何か。非常用の持ち出し袋は手元になく、救急車も病院も機能しない。そうした中で生き延びる工夫と知恵を…

「國酒」がんばれ

(日経/春秋)わが国で古くから愛されてきた酒、「國酒」、およそ30年にわたって歴代首相はこの言葉を揮毫(きごう)してきた。最初に揮毫したのは大平正芳首相だ。洋酒に押される一方の日本古来の酒を元気づけたい。そうした思いがあったようだ。中国で「国…

自分の目が目の役目を果たしていないか身にしみる

(日経/春秋)この画家の絵を見つめ、いかに自分の目が目の役目を果たしていないか身にしみる。「セザンヌ展」は、そんな展覧会である。セザンヌは言っている。「画家は、自らのうちで先入主の声をすっかりだまらせなくてはいけない」。「色はまるで自分たち…

三重野康さんは最後の日銀総裁だった。

(日経/春秋)最後というのは、肖像画のこと。日銀本店の旧館にある通称「松の廊下」には、24枚の歴代総裁の顔が並んでいる。高額の制作費がやり玉にあがり、三重野氏の後は一人も描かれていない。バブルと戦った「平成の鬼平」は、とりわけ厳しい顔つきに見…

弁護人は冷静に。質問を変えてください

(日経/春秋)テレビでこの人の顔を見ない日はない。ご存じ大阪市長の橋下徹さん。再稼働を妥当と判断した政府への批判を強め、言葉はどんどんエスカレートする。「こういう統治を許したら国家なんて成り立たない」「政権をかわってもらう」「徹底抗戦する」…

立法府にいるのはそうした営みをする人々

(日経/春秋)衆院赤坂議員宿舎の家賃引き下げである。東京の真ん中にある3LDK82平方メートル。その家賃が4月から約8000円下がり、月額8万4291円になったという。衆院議院運営委員会の小平忠正委員長(民主)が「ルール通りに下げたのだから問題ない」…

その陰で失われたものを思う

(日経/春秋)東日本大震災で打ち上げられた巨大な漁船を、ひと目見ようとする人々が足を運ぶ。被災地のことを忘れないでくれと願い、船がその手がかりになると分かっていても「私たちの家を壊していった光景を思い出すんです」と地元の方。保存か撤去か、心…

バナナが「知恵の実」

(日経/春秋)まず、砂糖をたくさん入れた紅茶を飲む。次にバナナを食べてエネルギーを補給する。キャメロン首相は野田首相への助言。イギリスはバナナを日本の2倍の消費している。バナナは世界の食べ物である。少なくとも7000年前から栽培されたという。旧…

満座の中での大恥

(日経/春秋)満座の中での大恥だ。1ヵ月も前から日程を予告し、人々の目をうんと引きつけおいた揚げ句の不首尾。次の手はなんであろうか。巻き返しに核実験を強行か。厄介なこの国を抑え込むには、世界の厳しい視線が大きな力になる。=>(JN)外からの…

都市伝説のような就活スタイル

(日経/春秋)学生たちは都市伝説のような就活スタイルを一生懸命追い求めている。見ているだけでつらくない。人生は配られたカードで勝負するしかない。卒業して年次によって就職状況が異なるのは理不尽そのものだが、ゲームを降りるわけにはいかない。勝…

草に臥ておもうことなしわが額に糞して鳥は空に遊びけり

(日経/春秋)一昨年亡くなった歌人の竹山広、「体制という櫓にて微笑せる金正日がまた手をたたく」。いま、金正恩が軍と党と国のトップに立とうとし、さらに平和のアピールのためにロケット発射実験をしようとしている。あすが死後100年の石川啄木が「草に…

琴棋詞酒

(日経/春秋)「琴棋詞酒」。ほどほどに味わってこそ、というのが大昔からの戒めであるに違いない。なのに気分が良くなるとつい羽目をはずしてしまうのも人の常である。世の憂いをきれいに忘れ、琴棋詞酒の日々をおくる。どうにもこれは難しい。=>(JN…

「千四百年に一度」と「千年に一度」

(日経/春秋)100年前の本日、タイタニック号が氷山に衝突して多数の犠牲者を出した。米国の研究チームの最近の 新説では、当時、月と地球が「千四百年に一度」の大接近をした時期、氷山が南下していたと。日本では「千年に一度」の南海トラフの大地震、国…

途上国の英語教育を見習え

(日経/あすへの話題)「英語の魅力的な学習法とは」(日立製作所会長 川村隆)。誰もが海外に出られるわけではない以上、高校や大学で発展途上国の教育方法をまねて英語を強制するのがよいのではなかろうか。=>(JN)確かに能力上位者へはそういう方法…

むかしに変はるしるしなるらむ

(日経/春秋)「散るのを見て帰る心や桜花、むかしに変はるしるしなるらむ」(西行)。もう1年がたってしまった。日本は元気になっただろうか。復興はどうした。原発はどうなったか。そして自分は、なにを成し遂げたどろうか。次の1年は容赦なく始まる。=…

戦に行くなら

(日経/春秋)「戦に行くなら、ああいう男といっしょに行きたいね」、『マネー・ボール』の一節。今の政治、このように命を託すことができる政治家がいるのであろうか。重要課題になお右にしては左にする政治の姿。=>(JN)自己保身第一ではどうにも。…

「現場とQC」創刊半世紀

(日経/春秋)QC、クオリティー・コントロール、この言葉が普及したきっかけは、雑誌「現場とQC」の創刊。50年前の1962年4月のことだ。日本はQCに努め、品質が高く評価されるようになった。だが雑誌の創刊から半世紀、今や高品質は日本の専売特許では…

青春を終えることの出来ない人間

(日経/春秋)「自分でもさすがと思う」と北島康介選手。その興奮が心地よく腑にしみていく効果があった。作家・伊藤整は「真実な人間とは自己の青春を終えることの出来ない人間だと言ってもいい」と。北島選手の目には、青春を終える気などない人間の輝き…

ほめる達人検定 春の嵐

(日経/春秋)「ほめる達人検定」、大阪の会社が2年前に始め、4300人以上合格した。ほめる管理職、そうでない場合より企画提案に部署が積極的との調査結果があるという。「ダメ出し」ではなく「ポジ出し」、前向きな改善策に知恵を絞り、行動する方が大事と…

人智の思いも及ばぬこと

(日経/春秋)ハムレットは言う「この天地のあいだには、人智の思いも及ばぬことが幾らもある」。東日本大震災は専門家の「想定」をかるく超えた。内閣府の検討会が巨大地震について新たな推計。最悪パターンまであえて語らでるようになった。何をすべきかを…

子ども人権委員

(日経/春秋)SOSミニレターには、年間2万通の訴えが届く。遊びの悩みから深刻な虐待や性被害まで様々。ボランティアの子ども人権委員が一通一通返事を書く。やはり、いじめの相談が目立つ。間もなく新学期がはじまる。子供たち一人ひとりにとって学校を…

ゲーミフィケーション

(日経/春秋)早起き体操、印鑑が出席カードに並んでいく、それが楽しい。高齢者の体操の会も、この手法が広がっている。ゲーミフィケーション(ゲーム化)を販売促進や人事管理、社会問題の解決に転用できないか。原料も運動も、みんなで参加するゲームを思…