2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧
(日経/春秋)目をとじて、「だるまさんがころんだ」、と早口で言う間に様子が変わっていく。今年の秋は跳躍の足どりでやってきた。そして、いつの間にか、シベリヤと中国の上空の重いシベリヤ寒気団が、勢力を伸ばすチャンスをうかがっている。仲の悪いは…
(日経/春秋)「ちょい乗りカー」をつくろう。高齢者が買い物や通院の足代わり、福岡県の麻生渡知事の提案で35道府県からなる「知事連合」が検討。最高時速50キロ2人乗り、赤信号を知らせる機能。実態に合わせたものである。実現するかどうかはわからないが…
(日経/春秋)五木寛之さんのエッセーに、40年も昔の話とりて、国勢調査に答えあぐねて、「それなら民勢調査と言うべきだ」と。確かに民のことなのに「国勢」とはヘンである。明治時代には「民勢大調査」という言い方もあったそうだ。「国勢」とは「国の情…
(日経/春秋)伊達正宗から欧州への使節に命じられた支倉常長は、サン・ファン・バウンィスタ号を800人の大工と600人の鍛冶職人で1ヵ月で作り上げて大海を渡った。欧州で日本の技術を大いに知らしめた。今また、技を披露する好機だ。世界の海を行き来する船…
(日経/春秋)「世界戦に弱い」。日本の囲碁界にこんな評判が定着して久しい。主な国内線は長丁場だが、国際的な対局は3時間ほどと短い。単純な陣取り合戦だが、いまだに一流のプロに対してコンピュータが叶わない高度でデリケートなものゆえ、大局時間の影…
(日経/春秋)ある服飾専門学校の学生たちが、エシカルファッションショーという題の作品展を開いた。エシカルとは論理的という意味。これは5年ほど前、欧州で火が付いた。環境破壊や不当な児童労働、人権侵害などと距離を置く素材を用い、商品を作り、そう…
(日経/春秋)海にも紅葉がある。有明海の干潟に、秋になると葉が真っ赤に変化するシチメンソウが群生している。塩水で育つ不思議な植物である。なぜ赤くなんのためにここで。科学が解明しきれていない謎が、小さな草の中に詰まっている。地球上の生き物の…
(日経/春秋)悪いのは向こうだ、とお互い譲らない悶着はこの世に満ちている。尖閣諸島沖で起きた事件も双方の言い分がまるでかみ合わない。様子はビデオに収めているが、捜査中にさらすのは刑事司法の掟破りになる。ためらっていると、向こうの主張がそれ…
(日経/春秋)自供を引き出すのは名人芸。「割り屋」が特捜部でも持てはやされる。いざというときはそんなエースが乗り出す。郵便不正事件の主任検事も、大阪地検の名うての割り屋だったと聞く。しかし、その捜査のお粗末さ、罪深さに驚いた人は多かろう。…
(日経/春秋)木田元さんの「一日一文」という本がある。古今東西の名言366、きょうのページは150年前のこの日に没したショウペンハウエルの「読書について」。「読書は、他人にものを考えてもらうことである。・・・・だから読書の際には、ものを考える苦労が…
(日経/春秋)大学3年生のシューカツが始まる。資料、作戦、いざ勝負。でも本音を言えば、就活などしたくない。そんな若者を「甘えてる」と。でも「子供がワクワクするように仕事の話を、家庭内でしていますか」。ユニクロが今夏に始めたインターン実習が学…
(日経/春秋)「イレブンランチ族」、大人の女性2人から3人、百貨店などのレストラン階は11時に開くので、それと同時に入店し、ちょっとぜいたくを味わう。銀座で今、彼女たちが押し寄せるのが三越。消費不況も百貨店不振もどこ吹く風の賑わいだ。女性、若…
(日経/春秋)塩野七生さんの新シリーズ「十字軍物語1」が発売された。男たちのドラマが、独特の史観を通じてよみがえってくる。「こうだと思ったことを、責任を持って明確に書くのが作家」。政治家も同様であろう。「脱小沢」のおかげで、代表選挙後の内…
(日経/春秋)三代目の「さくら」九州新幹線を。一代目は戦前の花形特急、二代目はブルートレイン。新大阪と鹿児島中央を4時間で結ぶ三代目は、航空機との競合が使命だ。さらにJRは所要時間3時間47分の「みずほ」を追加する案を打ち出した。陸と空とのこ…
(日経/春秋)38年ぶりに交代。島根県74.37人でトップに。人口10万人当たりの100歳以上の比率。実は沖縄が昨年に比べ人口が6000人増えた。島根は7000人減り、その分お年寄りの割合が増えた。逆転の一因はそこにある。島根県に始まり埼玉の18.75人で終わるこ…
(日経/春秋)熱中症で病院に搬送された人が5月末以降で5万人を超えたが、やっと秋の気配、ふうー、と胸をなで下ろす。菅首相もその一人ではないか。もし負けていれば現憲法下では4番目の短命内閣になっていた。再選されたといってもねじれ国会。菅首相の夫…
(日経/春秋)「ガチョーン」、谷啓さんが78歳で逝った。クレージーの7人組の内、5人が鬼籍に入った。植木さんが「そのうちなんとか」式の夢を体現していたとすれば、谷さんは少し皮肉屋の役回り、右肩上がりの戦後を生きた人間のにおいがする。昭和が終わ…
(日経)世界大学ランキング、香港大学、初のアジア首位、東大を抜く。英社のクアクアレリ・シモンズ社調査。 (朝日)小学生34人が熱中症、静岡・伊東。
(日経/春秋)日本振興銀行は、5月に一部業務停止命令、7月には木村剛前会長らの逮捕、それでも3500人を超える人々が1000万円超の預金をしていた。1971年にペイオフの仕組みが出来たが長らく封印されてきていた。中小企業融資の銀行として6年前に生まれ、思…
(日経/春秋)世界貿易センターという名前のビルがある都市は多い。アムステルダムにもひとつ。建物の中に「駐在者センター」が好評。外国から赴任した人が住民登録や就労許可など、まとめて済ませられるから。オランダは貿易立国の歴史が長い。外国への開放…
(日経/春秋)人が月に降り立つ前、米国の学者が「人間と会話する機械」を作った。「イライザ」である。相手を理解していなくとも、心が宿っていなくとも、ただ言葉を交わしあうだけで気分が和むことがある。40年前のイライザと日本の通貨当局ではどちらが…
(日経/春秋)10の60乗「那由他」、千、億、京、核・・・・・と繰り上がっていく先の先。この天文学的な倍率まで水を薄めたらどうなるのか。ホメオパシーなる代替療法の世界でそれは「病気を治す」らしい。植物や鉱物を100倍に希釈する作業を30回ほど繰り返す。…
(日経/春秋)対岸の火事ではない。とっくに火の粉は飛んできている。抗生物質の効果がない新型耐性菌。発見の後手、院内感染等、病院の手抜かり。平凡な細菌が抵抗力をつけてしまっても、人間たちの危機感は薄い。厚生労働省はこれから全国調査に乗り出す…
(日経/春秋)昨年度、8万人を超す大学生と短大生が卒業を待たずに学校を中退した(あるNPOの計算)。これは大学生の8人に1人が学業の途中で姿を消す計算。その理由で、経済的理由は少数派。学習意欲の喪失、人間関係、不本意入学などが理由の上位。中退者…
(日経/春秋)口蹄疫騒動が一段落した宮崎市議会で新税を巡る論争が続いている。昨年春に導入された「地域コミュニティー税」(住民1人500円)について。新税にきっかけは街中の防犯灯、自治会が電気代をまかなっているが、自治会加入者は市民の3分の1ゆえ不…
(日経/春秋)新潟県は古代から石油が見つかっていた。明治の中ごろから精製する起業家が何人も現れた。そのうちの一人に昭和シェル石油の源流の新津石油を興した新津恒吉氏がいる。昭和に入り自動車のガソリン需要が増え、次々に工場を設け新津石油は成長…
(日経/春秋)あす9月5日は「ポーツマス講和条約の日」。1905年ハンプシャー州ポーツマスで「重要な歴史の一章」。小村寿太郎に対して勝ち戦なのに賠償金もとれなかったと当時の評価はさんざんだったが、後世の史家は、小村を称賛してやまない。「歴史の浅…
(日経/春秋)「このままなら、日本人はみんな骨抜きになりコンニャクのような人間になってしまう」。おととい亡くなった初代若乃花、花田勝治さんがバブル景気にわく22年前、「私の履歴書」で危惧をもらす。独立して部屋を構えたが弟子がすぐに辞めてしま…
(日経/春秋)サッカー日本代表の新監督、アルベルト・ザッケローニ氏の初めての記者会見の印象は温厚であった。「大切なのは攻守のバランス」と極端を嫌う新職場への心遣いか。これまでは生え抜きや縁故に頼ってきたが、ここらで中央から大物を引っ張って…
(日経/春秋)トロイカ、トロイカと民主党。ロシア民謡を思い出す。スリートップ体制、代表選で菅首相と小沢前幹事長が激突するのを避けようと、鳩山前首相。ご都合主義にもほどがある。首相も金看板の「脱小沢」の値打ちを悟ったか。おかんしな妥協で落着…