2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

東電会長陳謝

(日経/春秋)1945年6月、ベートーベンの第9が日比谷公会堂で響いた。テノールの木下保は「日本はまだ大丈夫だ」と戦地へ手紙を送っている。戦時中は音楽会も芝居も町内のお祭りもすべて消えた。しかし、杉村春子の「女の一生」初演は東京大空襲の翌月。終…

来年度予算成立

(日経/春秋)「協力企業」という呼び方には、大企業のご都合主義の響きがある。福島第1原発で被曝した3人の作業員は、電設会社と、その孫請け会社の従業員。現場は修羅場。地元出身者も少なくない。現場の奮闘には頭が下がるばかりだが、リーダーはどうな…

被災15港が開港

(日経/春秋)同じくらいの賛成、反対。夏の電力危機対策、サマータイムによる節電。これはかつて占領下、GHQの指令で導入されたが、評判が悪く、4年で廃止された。1973年の石油ショック以来、政治の俎上に幾たびか上がっては消えていった。切羽詰まってい…

信金支援 LED照明レンタル

(日経/春秋)ルームドナー、震災の被災者を自宅などに受け入れたいという人が登録。申し出は日を追って増え、先週で900室。ITベンチャーを経営する現役の慶大生が4日間で作ったそうだ。全国の自治体も公営住宅などへの受け入れ準備も進めている。類似の掲…

福島第1原発汚染水処理難航 リビア膠着状態

(日経/春秋)ウェゲナーが『大陸と海の起源』を出版したのが1915年。生前も死後も、大陸移動説は学界で長く異端の扱いを受け続けた。東日本大地震も、元をたどればマントルの活動。このマントルを目にした人はいまだかつてない。科学技術はずいぶんと進歩…

自動車生産減 点灯品薄解消へ

(日経/春秋)「海嘯(かいしょう)」、満潮のときに海の水が波立ちながら川をのぼる現象。現代の中国ではもっはら地震による津波をさす。嘯という漢字はうなる、鳴くという意味。この津波による被災の状況がはっきりしてきた。これが日本の21世紀の光景であ…

避難者24万人

(日経/春秋)新邪馬台国、カエル村、ポテト共和国・・・・。30年近く前地域おこしを狙って「ミニ独立国」ブームが広がった。そのきっかけが岩手県大槌町の「吉里吉里国」。井上ひさしさんの「吉里吉里人」にあやかったもの。その大槌町を一瞬でがれきの山…

東京都水道局「乳児は控えて」 衆院選違憲

(日経/春秋)人々がくじけそうになっているとき、スポーツが心の支えになるのは間違いない。1945年、9月末にさっそくラグビー、11月に大相撲やプロ野球。セ・リーグの公式戦を早々と始めるのも大震災で打ちひしがれた国民を鼓舞すると考えたのだろう。しか…

福島産ホウレンソウ摂取て手控え

(日経/春秋)圧倒的な悲しみと涙の中、逆に励まされたり勇気づけられたりする。9日ぶりに救出された祖母と孫の姿。過酷な現場の自衛隊員、警察官、消防隊員。仕事への覚悟、家族への思い、上司を部下とのきづな。赤ちゃんの風呂につかった時の無垢な笑い。…

市場の動揺和らぐ

(日経/春秋)1890年11月第1回帝国議会が開かれたときの議事堂は木造だった。その議事堂は翌年91年1月に漏電で焼失した。「電気は危ない」との声が高まり産業界の課題になった。人々は知恵を絞り、電気を生活やもの作りに役立ててきた。現在、福島第1原発の…

9日ぶり奇跡の生還 リビアにミサイル攻撃

(日経/春秋)関東大震災の直後、内相に内定した後藤新平は、日銀総裁の井上準之助に諭した。「身命を賭けて御奉公するのは、今の時だよ」。井上は蔵相を引き受け、復興財源の調達に奔走した。後藤も自ら帝都復興院の総裁に就き主導した。「単なる復旧では…

リビアに多国籍軍介入へ

(日経/春秋)正月用の鏡餅がスーパーの棚に並んでいた。一昨日、東京の外れにある店での光景だ。ニュースが映すのは空の棚と行列ばかり。実際は少なめながらもある。石油危機のような極端な混乱は起こっていない。ネット、放送、ポスターなど、自制を呼び…

死者7千人超に

(日経/春秋)清水幾太郎の「流言蜚語」を読み、情報の大切さを考えている。「一片の流言はよく国を傾けることができる」。「当局の発表は往々にして抽象的で難解な言辞文体」の発表、情報に飢えた人々の不安をどれだけあおるのか。震災から2週目に入ったこ…

採用活動の延期 円高阻止G7

(日経/春秋)きょうで1週間になる。すさまじさに改めて慄然とする。今回の地震は過去の震災と決定的に違っている点がある。福島原発の危機という「二次災害」は初めてであろう。現場が命がけで任務に就く方々のことを思うと胸がふるえる。大陸をも動かす自…

死者・不明1万2000人超 円高76円台 みずほ全ATM停止

(日経/春秋)米国の連邦緊急管理局(FEMA)の災害対応マニュアルを見ると、人命の救助や消火の次に実行すべきことに、現場へ運ぶ物資は、水、食料、燃料、薬、毛布。これと並んで「小型印刷機」、手動で回せるもの。被災者が求める情報を伝えるためだ…

4号機火災 2号機破損 静岡東部震度6強 円81円

(日経/春秋)二転三転する説明。聞き慣れぬ専門用語とカタカナ言葉。30年前の米スリーマイル島事故。歯切れの悪さは政府も同じ。水素爆発。炉心溶融。・・・・・信じられない言葉が飛び交っている。今回の事故はスリーマイル島事故の深刻さに匹敵するという。日…

原発再度爆発 計画停電開始

(日経/春秋)50年前「国があなたのために何をしてくれるのかを問うのではない。あなたが国のために何ができるか、問うて欲しい」。1961年ケネディ大統領就任演説。今、大混乱のうち、一部にみえる不安の買い占めを除けば、「私のために」は二の次になって…

計画停電 M9.0に修正 福島原発3号機も

(日経/春秋)「神戸のことなんか、忘れたふりして生きていこう。そう思った」。昨年放映されたNHKドラマ「その街のこども」に登場するセリフ。少し揺れても大地震の怖さを思い出す。今回はM9.0。家族や友人を突然失うのは大人でもつらい。まして子どもたち…

原発炉心溶融

(日経/春秋)初めの激震の緊張がほどけてきた後に、不安がされに襲ってくるかもしれない。ここで負けてはいけない。心を強く持とう。私たちはひとりぼっちでない。国内そして各国から応援が続々と。私たちは助け合う。なぜ自分の町が「なぜ」。被災者の怒…

東日本大地震M8.8

(日経/春秋)繰り返し襲ってくる余震に身を構える。三陸沖が震源の激烈な揺れは大津波を伴い、悪夢のような光景を見せている。M8.8、本社のある東京都心のビル28階は嵐の中の小舟のようにしたたかにゆれた。東北各地の惨状に言葉を失う。古くは地震は「な…

東日本で地震・大津波

(日経/春秋)「モリオウ貝ってどんな貝」と聞く女子高生がいるそうだ。来年で生誕150年という文豪もこれではかたなしだ。鴎外の初めての小説「舞姫」の悲運の踊り子エリスのモデルは誰なのか。新説が出た。ライターの六草いちさかさんが21歳のドイツから来…

ガソリン145.5円

(日経/春秋)米国のヒアス『悪魔の辞典』に外国語通は「自国語以外の諸外国語には造詣が深いものの、自国語にはあまり通じない奴」。日本語通のケビン・メア氏は自国語で「ゆすりの名人」「ゴーヤも栽培できない」と発言。外交官たるもの、口が裂けても言…

明大志願者最多 待機児童最多 宮城県北部震度5

(日経/春秋)「流れる季節の真ん中で、ふと日の長さを感じます。せわしく過ぎる日々の中に、私とあなたで夢を描く----」(「3月9日」レミオロメン)。大切な何かを失うとき、人は儀式を必要とする。企業社会も、出会いと別れの繰り返しである。物事は始ま…

金鉱山算出過去最高

(日経/春秋)「点と線」共犯の妻が親しんでいたのが列車時刻表だった。夫のアリバイづくりは、数の表を読み解く妻の力が助けた。前原誠外相が外国人から政治献金を受け取っていた責任をとり辞任した。数字の敏感さがあり、チェックしていれば、問題は防げ…

前原外相辞任

(日経/春秋)「花電車」が6月に33年ぶりに復活する。8月に都電創業100年を迎える記念事業である。チンチン電車は今も1日5万人が利用している。クルマ社会で邪魔もの扱いされたこの交通機関が見直されている。地下鉄に比べて建設費がずっと安く環境に優しい…

厚生年金、積立金不足

(日経/春秋)「エジプト日本科学技術大学」、昨年開校したばかり、今回の騒乱で教員が帰国した。だいが早くも授業が再開している。テレビ会議システムやインターネットを使い遠隔講義を始めた。貧困背景に始まった反政府デモ、新しい産業を生み、雇用の受…

都心ホテル回復 はやぶさデビュー

(日経/春秋)なにんにも用事がないけど、汽車に乗って大阪へ行ってこようと思う。内田百輭の「阿呆列車」シリーズの冒頭。用がないから出かける贅沢。終戦から5年、国鉄に特急が復活したころは客車は3段階、一等車は名だたる紳士淑女。しかし平等志向の世…

ipad2発表

(日経/春秋)カンニングの父親への弁明、受験勉強すると役人タイプのこちこち頭になってしまう、と。筒井康隆氏の約40年前の小説「俗物図鑑」。ふと弱気になる受験生の心理を描いた夏樹静子氏の「遥かな坂」の替え玉受験。一発勝負で人生を左右する受験…

中国製薄型テレビ 入試投稿容疑者逮捕 自殺者3万人超

(日経/春秋)「密室もの」は謎解きの切れを競う推理小説の王道。試験の不正も密室ものの変形だろう。試験の歴史は不正との攻防史でもあった。大学入試問題が試験中にインターネットの質問サイトに投稿された一件は、携帯電話経由で情報が内から外を行き来…

花粉症緩和米

(日経/春秋)ピアノの一打が響いた瞬間、舞台はまぶしい色彩があふれたように感じた。新作能「調律師−ショパンの能」の一場面。作品を作ったのは駐在ポーランド大使のヤドヴィガ・M・ロドヴィチさん。日本文化の研究者により、能楽師の観世さんの協力で、…