戦争を過去のものとせず 250112

 沖縄への修学旅行が2025年度は減少する見込みに『金口木舌(250112)』は思う▼物価高の影響は、元々移動費が高かったのに加え、ホテル代や活動費の上昇が響いたとみられる▼県外の子どもたちが沖縄を学ぶ機会を失うのは残念だ。日本修学旅行協会の23年度調査によると、旅行先で重点を置く活動の中で「平和学習」は前年度の3位から2位に上がった。紛争が相次ぐ世界情勢を受けてのことだろう▼今年は「戦後80年」でもある。沖縄戦の証言を体験者から聞くことは難しくなってきた。子どもたちの関心にどう応えるか。深く考えるきっかけにしたい▼政財界もいまや戦争を体験した世代はどれだけ残っているだろう。戦争を過去のものとせず、次世代への継承が求められている。気掛かりなのは景気ばかりではない。
 (私は思う。)人はなかなか文字での学習だけでは理解が深まらない。重要な課題は体験学習をしたい。戦争と平和なら、体験者の言葉、その場所での記録を見聞きすることだ。沖縄で平和学習をしてもらいたいが、例えば東京の子供には経済的にはかなり負担である。それならば、長崎や広島があり、また都内にも学習場所はある。学校にはそういう機会をつくってほしい。
*画像は、東京大空襲・戦災資料センターでの撮影画像。

 

戦後を戦前にしないために 250109

 作曲家の久石譲さんが「もう戦後ではなくて『戦前』だと感じます」と語っていたのを読み胸を突かれたと『日報抄(250107)』▼「次の大きな戦争がすぐそこまで来ているのではないか」と心配しているという▼久石さんは今年、しっかり通して聴きたい曲として、バッハの「マタイ受難曲」を挙げた。「聴くたびに心が洗われ、人間の小ささを思い知る」と。300年ほど前に初演され、バッハの最高傑作といわれる▼CDを手に取って驚いた。3枚組みで演奏時間は3時間を優に超える。とにかく通して聴いてみた▼厳かな旋律に背筋が伸びる思いがした。久石さんは、音楽は戦争を止めることはできないと話す一方で「(平和のために)できることがある」とも述べた▼どうしたら戦争を止められるのか、考え続けなければならない。戦後を戦前にしないために。
 (私は)残念ながら「マタイ受難曲」をすべて通して聴いたことがない。キリスト教に対する知識は非常に乏しいが、この抜粋のCDを聴いて、何か迫ってくるものがある。音源に引き込まれて行く。この力、戦争を起こしている方々に聴いてもらい心洗ってもらいたい。先ずは、勇気ある撤退を願う。



節目の年に 250108

 元旦に『天風録(250101)』は思う▲明けたことしは昭和100年、戦後80年の節目に。激動の時代だった。戦後生まれ、ことし還暦の身にとって特に印象的なのは人類初の月面着陸、ベルリンの壁崩壊、関西と東北での大震災だろうか▲広島にとっては取りも直さず被爆80年。反核の願いは、じわじわと世界へ。以前なら想像できなかったことまで実現し、核廃絶の希望が芽吹いている▲ローマ教皇被爆地を訪問してきた。広島をオバマ米大統領が訪れ、G7広島サミットに首脳が顔をそろえた。核兵器禁止条約が既に発効しており、昨年は日本被団協ノーベル平和賞が贈られた▲節目の年始めに決意をして行動を誓いたい。一人一人がいま一度、被爆者の証言を聞き、引き継ぎ、広めることを。国がやるべきことは核兵器禁止条約の批准である。
 (私は)昨日、東京大空襲・戦災資料センターへ行き、戦争の悲惨な現実を改めて思った。犠牲になるのは弱者である。空襲を受けた人々には何ら補償がされることなく80年が過ぎている。戦争により働き手は戦場に向かい、銃後は焼け野原となった。空襲を受けなくとも、庶民の生活は苦難の日々であった。戦争を政治の手段として使う考えがなくなることはないのか。






散歩メモ 250107

東京大空襲・戦災資料センター」(江東区北砂)へ行ってきました。戦後80年となる今年、改めて戦争について考えたい。皆様、是非とも来館しましょう。「今も空襲は続いています。」








「1強時代」の終わりを知った 250106

 箱根駅伝をテレビで見て『談話室(250105)』は思う▼近年、厚底シューズが長距離界を席巻。2021年の箱根駅伝では、先駆者である米ナイキの製品を9割超の選手が履いた。1強だったが、他社も厚底開発を急ぎ猛追。今大会の着用率はナイキが3位に後退、独アディダスが首位に▼2位につけたのが日本のアシックス。かつては多くの選手に好まれたが21年大会では着用者がゼロ。ライバル社の製品に乗り換えた市民ランナーも増えたように思う▼アシックス創業者の故鬼塚喜八郎さんは「経営者は船頭。潮の流れを読め」と自著で説く。上げ潮に乗る時もあれば逆もある。「転んだら起きればいい」とも。その言葉を体現するようなV字回復の軌跡に日本企業の気概を見た。市民ランナーの足元もまた変わるだろうか。
(私は)走ることはないが、散歩が日課であるので、靴が大事である。スニーカーは靴屋さんに多種あり、購入時に困る。また靴屋さんでちょっと試しに履いただけで良し悪しがなかなかわからない。従って、履きなれたメーカーや優勝選手の靴のメーカーを選ぶ可能性が高い。次の靴はアディダスかな、アシックスかな。