『「あらゆる手段」は我らがマエストロ、日銀の黒田総裁の口癖』

『「あらゆる手段」は我らがマエストロ、日銀の黒田総裁の口癖』
 グスタフ・マーラーは「あらゆる手段」で、交響曲などで理想を追った。黒田日銀総裁も「あらゆる手段」で日本経済を何とか立ちなおせるのか。「春秋」(日経/2016/1/8付)は、「日銀には歴代、法皇鬼平など異名を奉られた総裁がいる。残り2年余の任期の現総裁も別称の候補を探す頃合いだ。『異次元』『バズーカ』は満願かなってこそか。勝敗は見えぬが、『デフレファイター』か『ミスター2%』と仮にしておこう。マーラー6番にはいつしか「悲劇的」の副題が付くが本人は嫌ったという」と。
 マーラー交響曲第6番の第4楽章、「さぁー、ハンマー鳴るぞ」とワクワクしながら演奏を聴き、目を凝らす。それは決まったスコアーにおいて、約束通りに行われる。でも、黒田日銀総裁のハンマーは、そうではない。不協和音の経済状態の中で、どこで「あの手段」を使うのか、腕の見せ所であり、その効果は「悲劇的」であってはならない。でも今更もう日本は経済の「巨人」にはならないであろうが、できれば「復活」して欲しい。(JN)