『生酔の礼者を見れば大道を横すぢかひに春は来にけり(大田南畝)』

『生酔の礼者を見れば大道を横すぢかひに春は来にけり(大田南畝)』
 「世界も日本も引き続き大小様々な変化にもまれるのだろう」、「天声人語」(朝日/2016/1/1)は、「今は時代の節目、その節目の時代は長く続く。エネルギー資源の限界を克服できなければ、『近代』は終わる。次の時代の方向性が見えてくるのは20年以上先かも知れない。混乱を覚悟しながら、のんびり行くしかない、と。共感しつつ、足元のおぼつかなさに不安にもなる」と科学技術社会論が専門の神里達博さんの『文明探偵の冒険』は刺激に富むと紹介する。
 毎日、毎年、同じことを繰り返しているようだが日々、環境は変化している。変わっていないと思っていても、自分も周りも変わってきている。日本も、それを取り巻く世界は知らぬ間に、随分変わったのだろう。そう大きく変化しているが、わからない。それに気づかないと、時代遅れの者は、時代遅れを追い続けるのであろう。その歪みが何を今後、起こすことになるのか。物質社会と精神は、今後、どのように変えられていくのか。否、はかない人生、そんなことは考える必要はない。大きな力に押しつ潰されるような時が来るかもしれないが、「日ごろと変化のない正月もそれなりに味がある」、それで良かろう。ゆっくり、徳利とお猪口で行きましょう。(JN)