『2006年初場所での栃東を最後に、日本人力士は賜杯に手が届かない』

『2006年初場所での栃東を最後に、日本人力士は賜杯に手が届かない』
 「この国の若者らは伝統的な心技体の鍛錬に背を向けたかのようだ」と、「春秋」(日経/2016/1/12付)は、大相撲での日本人力士の弱体を思い、またモンゴル出身力士に係り、歴史家の岡田英弘さんの話を紹介する。「13世紀、モンゴル帝国により中国と欧州の文明が接触し、真の意味の『世界史』が始まったと唱える。日本では元の侵攻が体制を支える御家人を窮乏させ、北条氏は独裁で延命を図ったが、結局、幕府は瓦解した。他方、ロシアでは銀経済が進み、幹線道路も整えられ、近世の礎が築かれている。」そして「1度はユーラシアの覇者となった原動力か。国技の守護神ともなった彼らから学ぶべきは我々だろう」と。
 私たち日本人のルーツがどうなのか、その中にモンゴル系の遺伝子も多く存在するようで、大相撲のモンゴル勢の活躍は、特に諸外国籍の人々という意識を持たせない。それは、「春秋」に示されているように「インタビュー時の流ちょうな言い回しや語彙に努力」もあるのだろうが、気にならない。「モンゴル」という出身地であるだけだ。でも、47都道府県出身者は、なぜ優勝がこんなにも遠いのか、そこは考察の必要性がある。肉体的な面の問題ではなく、生活環境など様々な方向から「モンゴル」を見直してみたらどうであろうか。(JN)