『倉の内の財は朽つること有り、身の内の財は朽つること無し』

『倉の内の財は朽つること有り、身の内の財は朽つること無し』
 教科書は、昔も今も版元には安定した収入源、これをより販売促進するために努力をする。「余録」(毎日新聞/2016/1/23)は、寺子屋での教科書(往来物)である「実語教」の言葉を用いて、教科書会社や教員の在り方を想う。 「山高きが故に貴からず、樹あるをもって貴しとす、人肥えたるが故に貴からず、智あるをもって貴しとす」。「倉の内の財は朽(く)つること有り、身の内の財は朽つること無し」。
 教科書を作るのは株式会社である。株式会社は利潤を追求する。そのために努力をする。やるだけのことはやる。リスクや金をかけても、この手口は有効なのか。それにしても、関係教員はその手に乗ってしまうのは、余りにも甘い。自分に甘い。みんながやっているからと言うことを、それを咎めるのが教員である。まあ他人のことは言えるが、わが身も危うし。「他人の愁いを見ては、即ち自ら共に患うべし」。(JN)