永遠の平和のために 240424

 4月22日、生誕300年であったカントを『天声人語(240423)』は思う▼難解な著作のうち『永遠平和のために』(中山元訳)だけは読み通した。「戦争はあたかも人間の本性を接ぎ木されたかのようである」。だから止める手立てを、と説く▼その手立てとは、国民が主権を持つ国々による連合だと。戦争を選んで兵士として戦うのか、巨額の費用を追うのか。「割に合わない」▼だがいま国連はあっても、戦争は続く▼希望はあるのか。「我々は後ずさりしながら、未来に向かって行く」。背後の未来には、雲の切れ間がかすかに見え隠れする▼永遠平和の実現は無限に遠い先のことだとしても「つねにその目標に近づくこと」をカントは求めている。
 (カント先生は)難しいことを難しく襲いかかる。わからない。私たちには啓蒙が必要だと。国民が主権を持つ国とはどこの国であろうか。もちろん、我が国も国民が主権を持つ国であるはずだ。だがその主権を行使するためには、自律する力が必要。私たちは未成年状態から脱するために啓蒙が必要と。啓蒙とは何だ。何だ。