『日本が世界に誇れるものは多いけれど、こうも自分褒めが・・・』

『日本が世界に誇れるものは多いけれど、こうも自分褒めがはやるのは自信喪失の裏返しか』
 「泣きたいくらいに美しい――。ドイツの建築家、ブルーノ・タウトはかつて京都の桂離宮を訪れ、こんな賛辞を残した」と。「春秋」(日経/2016/1/10付)は、「1人当たりのGDPはいまや世界27位。日本を持ち上げてくれる外国人の目に映るものも、そうそう結構な景色ばかりではあるまい。桂離宮を褒めたタウトだが、じつは地方都市を旅しては辛辣きわまるのである」と。
 京都へは何しに行くのであろうか。表現ができないが、無理に説明するならば、「行きたいから行くのである」と申すしかないか。開通したばかりの東海道新幹線に乗り、その着いた時から、魅力に取りつかれた。以来、暑い夏に京都を歩くが、行っている場所はほんの僅か、桂離宮にたどり着いていない。その日本の京都を海外の方に見てもらいお褒めいただくのはうれしいことである。過去から引き継いできているこの文化は、海外の皆様に褒めてもらわなくても美しいので、我々はそれに騒ぐ必要はないと考える。そして、そこでその美しさに染まっていたいが、過去の遺産を大事にしながらも、衰える日本を現実のものとして捉えていかねばならない。(JN)