虫捕り 230817

 夜に出歩く機会が増えたと『談話室(230817山形新聞)』。町外れの街灯や自動販売機。クワガタやカブトムシなどは蒸し暑い夜に活動的になり照明に集まる▼養老孟司さんは、子どもの遊びには虫捕りが良いと説く。虫を見つけたら筋肉を動かして捕まえ、調べ、標本を作り、考え、また虫を見て-といった具合に入力と出力が連鎖し理想的に脳が回転するのだという▼お盆の晩、虫籠を手に自販機の周りを歩く親子連れ。県外ナンバーも止まっていたので、帰省客かもしれない。狙った獲物は捕れただろうか。今はもう都市部の生活に戻っただろうか。心躍る山形の夏であってくれたのなら、うれしい。
 (私が)昆虫採集に熱を入れていたのは1960年代であっただろうか。田畑や森林が住宅地に変わっていったが、まだ自然はあった。クワガタやカブトムシは豊富にいた。虫かごに捕ってきたクワガタとスイカを入れて、夜、軒先にぶら下げておく。翌朝に数が増えていることがあった。光よりおいしい匂いであろうか、虫が集まってくる。そんな夏は遠くになり、いまは虫が近寄らない世界に住んでいるようだ。