敗戦から78年 230815

 この日に各紙は平和を思う。▼「ずっと戦後であってほしい。戦争だけは絶対に始めてはいけない」(有明抄)▼七十八年前の終戦の日から、日本は「伝言ゲーム」を懸命に続けているのだろう。戦争の恐怖と非情さ。非人間的な暮らし。それが終わり、人々が心から叫んだ最初の言葉は「二度と戦争はごめんだ」だったはずだ。その言葉を次の世代に丁寧に伝え続けてきた(筆洗)▼戦争体験を語り継ぐことはいよいよ難しい。「誰かに聞いた短い話でいいから自分の口で語ること」(天声人語)▼「戦争はある日突然、天から降ってくるものではない」(春秋)。・・・・・・・
 (われらは)平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ(憲法前文より)▼この78年間、日本は平和であったようだが、戦争とかかわりがなかったわけではない。米ソの対立で、日本は米軍の基地を多く抱え、米国の戦争の度に銃後の支援をしてきたように思われる▼横田あたりから銃口を向けられ、未だに米軍のために存在する日本なのか。敗戦国としていつまで、戦争の手助けをするのか。核の傘に安住していられるのか▼戦後は終わるのか。それは戦争の始まりなのか。