新しい土地にかける夢、しばしの中断を強いられた

新しい土地にかける夢、しばしの中断を強いられた
 口永良部島の皆さんの努力が火山の噴火で消えて行く。日経「春秋」(2015/5/30付)は、自然の無慈悲を伝える。「『不在だった医師がついに決まりました!』と島紹介のホームぺージにある。島の名は鹿児島県屋久島町口永良部島。「南海ひょうたん島留学」の名で、小中学生の転入学も毎年数人、受け入れている。特にここ10年ほどは若者を中心に、仕事をつくり、ネットで情報を発信するなど新しい取り組みに挑んだ。昨年夏に山が噴火した後は、立ち入り禁止になったのは限られた場所だけとの告知に努めた。そうした試みを重ねつつ130人余りが1つの島で支え合い、暮らしていた。そうした中での、きのうの大規模な噴火だ。住み慣れた風景の中で繰り返してきた生活。新しい土地にかける夢。いずれもしばしの中断を強いられた。大地の震えとともに生きるのはこの国に住む者の宿命と分かっていても、何と無慈悲なと思わずにいられない。山の揺らぎが小さく、短いことを祈りたい。」
 私たち日本に住む者は、火山の上に住んでいるようなもので、いつ何時、地上に噴出するかわからない。地面が揺れもする。このことから逃れるには、日本を去るしかない。でも、この日本が好きであり、その自然を無慈悲と思わず、上手に暮らしてゆくしかない。この自然現象を封じ込めることはできないから、如何に被害に遭わないようにするか、その予知と対策が大事である。しかし、こんなに頻繁に起きることなのに他人事のように忘れてしまう。このような自然災害に対することより、自分自身のための楽しいことに重きを置いて行動をしてしまう。日本では、個々の者が互いに世話をしあうことが忘れられ始めたいる。行政に頼ることより、我々個々が互いに自分たちのその条件に応じて身の動かし方を真剣に考えねばならない。地面の下だけではなく、空からの雨や風による災害も、それそれの場所により対策は違うだろう。病気に対してでも、離島であろうと都心であろうと、それぞれに応じた環境づくりが大事だ。こういう取り組みに無駄はない。事が発生しなければ、なんでこんなに予算を使うのだとなるが、そうではないはずだ。さて、口永良部島の皆様には、今をどう過ごして行くかが大事であるが、帰島した後のことも考えて様々な要求を考えてください。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO87487200Q5A530C1MM8000/