内外で情報格差が生まれているのでは。いささか心配になる

内外で情報格差が生まれているのでは。いささか心配になる
(日経「春秋」2015/5/12付) 日本で初めての国際的な防衛イベント、明日から横浜で開かれる。主な行事は海洋安全保障にかかわる国際会議と展示会だ。題して「MAST Asia」。主催者によると、横浜で開くことは1年前には決まっていたとのこと。それにしては、国内で知っている人は決して多くないという印象がある。おそらくその一因は、情報の発信が基本的に英語によるもので、日本語を用いた情報がほとんどないことにある。折しも、集団的自衛権の行使を認める安保法制を安倍政権が閣議決定する。そのため「戦後日本のタブーを打破する取り組み」の一環として、このイベントを批判的に伝えている英語メディアもある。だがそれも日本語に頼っていると気づかない。安保をめぐり内外で情報格差が生まれているのでは。いささか心配になる。
(JN) 情報は、文字で伝わる。日本に住む者は文盲は少ない。しかし、英語になると、義務教育で習っているはずだが、その能力には多きな格差がある。しかし、日本中で英語読みのカタカナが溢れている。何でも、日本読みにしてしまうし、良い本は優れた翻訳ものがでるので、一般の者には、英語力をそれほど修得しなくとも、一般生活には影響ない。であるから、カタカナになっていない英文は、庶民には伝わってこない。また、英語力の無いものには、世界での軍隊に対する解釈や各国の原発のありかたをしることができない。勿論、翻訳された情報が入って来るが、それは遅かりしものや偏った情報になる。庶民にはそんなことは良いではないかと言われそうであるが、私たちが自分たちの安全な生活を考えるためには、やはり、英語情報を正確に得ることを身につけねばならぬだろう。或いは、そういう能力のあるものを身近に持ち、情報を得ることである。幾らインターネットが使えても、そこからの情報を得られなければ、宝の持ち腐れである。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO86655080S5A510C1MM8000/