日本の水族館が太地からイルカを調達しているのはけしからん

日本の水族館が太地からイルカを調達しているのはけしからん
(日経「春秋」2015/5/13付) 映画「ザ・コーヴ」が、アカデミー長編ドキュメンタリー賞を取ったが、その演出はひどく強引で、ドキュメンタリーと呼べるのかどうかにも首をかしげた。けれど欧米などで受け、太地のイルカ漁への反発が高まるきっかけになった。かの反捕鯨団体シー・シェパードが押しかけて逮捕者も出た。こんどの事態も、そんな風潮のなかの出来事だろう。日本の水族館が太地からイルカを調達しているのはけしからん、と世界動物園水族館協会(WAZA)が日本動物園水族館協会(JAZA)の会員資格を停止した。改めないとJAZAは除名される。そうなれば日本の動物園は海外からの協力を得られなくなるという。ゾウやキリンを人質にイルカの解放を求める格好だから困ったものである。そもそも飼育用のイルカは食用とは分けて捕っているのだ。とはいえ、こちらまで感情的にならぬことが肝要だろう。かつて「ザ・コーヴ」をめぐって上映中止騒動も起きたが、突っ込みどころ満載の作品を笑い飛ばすくらいの度量が欠かせまい。
(JN) 欧米の皆様にはこれよりもひどいことを・・・・と言いたいことはあるが、とにかく、イルカについては、考え直しても良いであろう。クジラにしても、イルカにしても、考え直して行けないであろうか。漁業も、農業も、工業も、商業も、ビジネスとしてその内容を変えて行かねばならない。感情的なことは別として、今現在の営みを見直して行くことが地方で考えねばならない。伝統的なことをどのように残し、どのように新たなことを取り入れて行くか。我々人間は、様々な環境の変化に対応をして行かねばならない。欧米からのわけのわからぬ圧力ではなく、自分たちが生き抜いていくために、また地方の街が消えないために、補助金で今の仕事を続けようというのではなく、新たな試みをして行くことが肝心である。それは、年寄りには難しい、若者が地方を守って行くことである。それの環境を行政に頼るのではなく、地域の者や日本中の市民でやる抜くべきである。WAZAのご指導をありがたいものとして、水族館はそういった地方との何か連携をして新たな試みができないであろうか。この危機をチャンスにして行こう。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO86708680T10C15A5MM8000/