アリストテレスは、今のギリシャの混乱をさぞ嘆くだろう

アリストテレスは、今のギリシャの混乱をさぞ嘆くだろう
(日経「春秋」2015/5/14付) 国の財政は人々がより豊かになるためどうあるべきか。「現在手にしているものに付け足しをすることだけでなく、支出を削減すること」アリストテレス(「弁論術」)。気前のいい政策に国のお金をどんどん使っていると、いずれ財政が窮迫しかねず、住民にしわ寄せがいく。削るべき出費は削る。余計な費目は削除する。今のギリシャの混乱を目の当たりにしたなら、さぞ嘆くことだろう。「必要な構造改革を遂行する」と言ったかと思えば、「無条件の譲歩を期待するな」。国をどこへ導こうとしているのかが見えない。金づるを握っているEUへの配慮も避けられないが有権者の反発も怖い――。「弁論術」によればこの技術は、為政者らが「どんな問題が与えられても、それについての説得方法を見つけ出すこと」。改革に賛同を得る道も見つかるのではないか。再生へのリーダーシップを見たい。
(JN) 自分たちで稼いだお金であれば、倹約を考えるであろうが、どうも国家での議員は賛成を得られることをするだけで、これから数年先をあまり考えないのであろうか。なにせ、国会審議で優先されるのが反対され無い議案であろう。我が国でも、与党も野党も、ばら撒きは意見が一致する。特に地方に対する補助は通るのであろうが、それっが本当に地方再生につながるのか。戦後、70年間、ばら撒き続けて地方はしぼんできたのに、なぜ、他のやり方がないのか。ギリシャに隣国が生んだ哲学者は、倹約を求め、それを政治家が説得すべきと説く。日本の過去にも、倹約から藩や地域を盛り上げた者がいる。我々は、天から食べ物が降ってくれば、そんなに働こうとはしない。ライオンだって、えさのやり過ぎは活力を落としたという。ギリシャの偉人を例えに、肥つた豚になるよりは痩せたソクラテスになりたいというのもあった。為政者は、民衆の欲望に迎合するのではなく、素敵なプランを見出し、我々を説得せよ。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO86763010U5A510C1MM8000/