読書メモ 240217

『疫病と人類知 新型コロナウイルスが私たちにもたらした深遠かつ永続的な影響』、Nicholas A.Christakis(ニコラ・クリスタキス)、庭田よう子(訳)、2021年5月、講談社。・新型コロナウイルス対策としてのロックダウンにより地球は静止した。人類の活動が…

芸術との出会い 240216

福島市の県立美術館の「福島アートアニュアルに『あぶくま抄(240216福島民報)』は思う▼川端康成は、無名だった当時の芸術家草間彌生さんの作品を所蔵していた。1955年、水彩画を2点買った▼東京・銀座で開かれた小規模な個展にふらりと立ち寄ったという。川端…

二階氏にも提案してみたい 240215

二階俊博元幹事長の多読ぶりが明らかになったと『談話室(240212山形新聞)』▼井上ひさしさんは執筆の資料として大量の書籍を買い集め、その重量で自宅の床が抜けるという体験までしている。これぐらい大胆な買い方を続けなければ蔵書13万冊には達しない▼自民…

義理チョコ 240214

バレンタインデー、義理チョコに『大観小観(240212伊勢新聞)』は思う▼漫画家・いがらしみきおさんが本紙連載でバレンタインデーについて書いていた▼同じ感覚になったことを思い出す。自分は女の子からチョコをもらって喜ぶような軟派じゃないんだという硬派…

カレーの精神 240213

2月12日のレトルトカレー誕生の日に『小社会(240212高知新聞)』は思う。1968年、大塚食品が誕生させた「3分間待つのだぞ」のボンカレー。発想のきっかけは、米国の真空パックのソーセージにあったと。小菅さん桂子さん著「カレーライスの誕生」には、〈他の…

メジロがちょんちょん 240212

暖冬に『天声人語(240212)』は思う▼<あらたまの年たちかへる朝より待たるる物は鶯の声>。暖かな日々の到来を、人はいつも心待ちにする▼とはいえ今年は少々とまどってしまう。訪れがあまりに早いのだ。はや咲誇る梅の枝をメジロがちょんちょん渡り歩いていた▼…

さようなら、小澤征爾さん

『筆洗(240211)』は、小澤征爾さんを偲ぶ▼才能と努力に培われた音楽家としての土台と、小澤さんという人間としての大きな魅力に人が手を貸し、巨匠への道を後押ししたか。そして、ときに助けられた小澤さんの振るタクトには人間の善を信じる強く、美しい心が…

魔法のタクト1本で国籍を溶かし国境をひょいと飛び越える 240210

『天声人語(240210)』は小澤征爾さんを偲ぶ▼「中国で生まれて日本で育った僕」。日中戦争の悲惨な歴史を振り返り、ときに目を真っ赤にして指揮台に立っていた▼日本人にバッハが分かるのか。欧米では差別や偏見が珍しくなかった。自分は何者なのか。どこから…

遠い吉田流 240209

麻生太郎の上川陽子外相の容姿や年齢をあげつらった発言とその撤回に『小社会(240205高知新聞)』は思う。吉田茂元首相は失言も多く残る。「ワンマン」「傲慢」と批判される一方では、当意即妙のユーモアによる親しみやすさがあった。孫の麻生太郎が毎年のよ…

国民は忘れずにいたい 240208

「記憶はない」と繰り返してきた文科相の盛山正仁氏に『天声人語(240208)』は思う▼シャーロック・ホームズは物忘れの天才。いわく人間とは「小さな屋根裏部屋」▼「だから、無用の知識はどんどん忘れて、有用な知識の邪魔にならないようにする」▼ひょっとする…

やなせさんの思い 240227

2月6日のやなせたかしさんの誕生日に『小社会(240206高知新聞)』は思う。1919年に香美市香北町に生まれた。「人のために何ができるかをいつも考えている」「まさにアンパンマンを地でいく人」やなせさんは亡くなる2年半余り前、東日本大震災。90歳を超え、引…

エコノミークラス症候群への注意 240206

冬の健康を『北斗星(240205秋田魁新報)』は思う▼能登半島地震で避難生活を送る人々に対しては「エコノミークラス症候群への注意」が繰り返し呼びかけられている▼冬は外出が減り、ストーブのある部屋からあまり動かない―。屋内で小まめに歩くように努めること…

厄介ものから宝に変える 240205

竹林面積の拡大に『編集日記(240204福島民友)』は思う▼食用で一般的なモウソウチクの旬は3~5月。タケノコ狩りが待ち遠しい。あっという間に繁殖する竹の間引きにも一役買っていると思うと、気分も上がる▼林野庁によると、県内の竹林面積は2022年度調査で10…

梅に鶯、政治にカネ 240204

きょうの立春に『明窓(240204山陰中央新報)』は思う▼<雪解や春立つ一日あたたかし>(正岡子規)▼ウグイスには「春告鳥」の異称、春になると産卵のため沿岸に近づいてくるニシンやメバルは「春告魚」。魚へんに春と書くサワラ(鰆)も瀬戸内などでは「春告…

コンサート・メモ 240203

「ヴィジュアル・オルガンコンサート223」(オペラシティ)に行ってきました。体調不良が続き、コンサート2回行けませんでしたので、3カ月ぶりでした。都築由理江さんによるパイプオルガン演奏、空気の振動に浸ってきました。バッハ:フーガト長調BWV577マス…

能登とあなたも私もつながっている 240202

金閣寺の金箔の下には、漆が丹念に塗られていると『春秋(240201)』は輪島塗を思う▼漆塗りは美しいだけではなく、耐熱や耐水、抗菌に非常に高い効果を発揮する▼例えば輪島塗の技は、佐賀県の「唐津くんち」に生きている。漆塗りの巨大な曳山、その一つ「鯱」…

『お金と人事のための集団』 240201

参院予算委で野党議員が用意したパネルの裏金の表記に自民党が注文をつけ、カッコを付けたことに『余録(240131)』は思う▲面妖な話だ。裏金だろう▲岸田文雄首相も施政方針演説の原稿で「政策集団が、いわゆる『派閥』、すなわち『お金と人事のための集団』と…

読書メモ 240131

『疲労とはなにか すべてはウイルスが知っていた』、近藤一博、2023年12月、講談社。ウイルス、HHV-6の量で疲労を測定疲労感は炎症性サイトカインの脳への働きかけストレス対応(HPA)は、警告反応期、抵坑期、疲憊期(疲労困憊)疲労とビタミンB?(アリナミ…

経済大国の貧困 240130

最新の政府の調査に『余録(240129)』は思う▲今から50年前の1974年石油危機に、戦後初のマイナス成長に。これを機にゼロ成長への転換を促したエコノミストがいた。池田内閣の所得倍増論を立案した下村治だ▲だが政府は成長優先を変えず、バブルとその崩壊。ア…

安眠 240129

能登半島地震の被災した方々の睡眠を『編集日記(240129福島民友)』は思う▼厚生労働省の検討会がまとめた「健康づくりのための睡眠ガイド」によると、個人によって異なるが、成人は6時間以上、子どもは8~12時間を目安に睡眠時間を確保するのが望ましいと…

読書メモ 240128

『アジアの多重戦争1911-1949 日本・中国・ロシア』S.C.M.Paine、荒川憲一(監訳)、2021年11月、みすず書房。「軍隊を持つ者が権力を握り、戦争が一切を解決する」と毛沢東は言う「もし20世紀半ばの日本の首相や将軍、提督たちが生き返れば、自分たちが当時…

野球しようや 240127

大谷翔平選手からの小学生へのプレゼントの『滴一滴(240127山陽新聞)』は思う▼本物は想像よりも重い。鼻に当てるとツンと革の匂いがした―。阿久悠さんの自伝的小説「瀬戸内少年野球団」▼波紋も少しばかり広がった。住民に見せるため庁舎内に一時展示した自治…

楽しみが膨らんでくる 240126

日本で初めての月面着陸に『編集日記(240125福島民友)』は思う▼「きみはある日、突然おとなになったんじゃなかった」▼赤ちゃんと子どもの境目がいつだったかは、きみもちゃんと知っていると、長田弘は続ける。「二本の足でちゃんと立ってちゃんと話せるよう…

蛇口をひねれば出てくる水に感謝 240125

県都から眺める吾妻連峰の山々の雪化粧が進んでいないことに『編集日記(240123福島民友)』は思う▼福島地方気象台によると、県内各地の積雪量は少なく、豪雪地帯の只見町でさえ20センチ足らず。例年、春になれば山から大量の雪解け水がダムに流れ込み、生活…

国民食・カレーライス 240124

1月22日の「カレーの日」に『余録(240122)』は思う▲全国学校栄養士協議会が1982年、小中学校でカレーを統一メニューにした日、業界団体がきょうを「カレーの日」と▲地震と津波に襲われた人々がいる避難所となった石川県珠洲市の小学校で子どもたちが壁新聞を…

読書メモ 240123

『もうレシピ本はいらない 人生を救う最強の食卓』、稲垣えみ子、2018年9月、マガジンハウス。・私の自由をもたらしたのは、料理だった。・冷蔵庫を止めて目が覚めた。・江戸時代、冷蔵庫がなくとも、ご飯を作って食べていた。・祖母はいつも似たような煮物…

まやかしの改革に終わらぬよう 240122

「宏池会」の解散に『余録(240120)』は思う▲1957年に池田勇人が創設した際、陽明学者の安岡正篤が命名。「高光の榭に休息し、以て宏池に臨む」。余裕しゃくしゃくたる様子を表すという▲裏金事件を巡り、岸田派は元会計責任者が立件された。首相は「事務的ミ…

検討使の出航 240121

岸田文雄首相は岸田派の解散を「検討している」との表明に『明窓(240121山陰中央新報)』は思う▼覚悟を感じた。世論調査で政権の支持率が20%台で低迷し、捨て身で大勝負に出たのだろう。決断が政治の信頼回復につながるのか、それとも大きな亀裂を生むのか▼…

読書メモ 240120

『日本人の健康を社会科学で考える』、小塩隆士、2021年1月、日本経済新聞社。 健康面でも不利だった就職氷河期世代。 非正規雇用は健康リスクがある。 貧困はその個人や地域にとって健康に影響を与える。 社会参加活動は健康リスクを低下させる。 学歴が低…

ペットとのつらい別れ 240119

ペットロスを『あぶくま抄(240119福島民報)』は思う▼中国では、ペットのクローンをつくる商売が活況を米国、韓国でもビジネス化されていると。「自然の摂理に反する」と生命倫理を巡って議論を呼ぶ▼仏教の言葉にトリシュナー(渇愛)がある。のどがカラカラ…