メジロがちょんちょん 240212

 暖冬に『天声人語(240212)』は思う▼<あらたまの年たちかへる朝より待たるる物は鶯の声>。暖かな日々の到来を、人はいつも心待ちにする▼とはいえ今年は少々とまどってしまう。訪れがあまりに早いのだ。はや咲誇る梅の枝をメジロがちょんちょん渡り歩いていた▼ガンや白鳥たちが冬を越す宮城県の伊豆沼・内沼でも、異変が起きている。「長いこと観察していますが、こんなのは初めて」と県伊豆沼・内沼環境保全財団の嶋田哲郎さん▼今週半ばには各地で気温があがって、東京では4月中旬の陽気になるという▼「冬はつとめて」と、枕草子は早朝の風情をたたえた。ピンと張り詰めた寒気を胸に吸い込む朝があってこそ、春の喜びはいっそう膨らむはずである。
 (私は)昨日の夕方近くに散歩に出た。暖かである。念のため着込んで出たため、手袋を外し、マフラーを取り、胸元を開けて、春を感じた。頭上では、まさに、メジロがちょんちょんと花を突いていた。なんだか、私の鼻や眼が春を感じ始めた。鼻が眼が春が怖い。