まやかしの改革に終わらぬよう 240122

 「宏池会」の解散に『余録(240120)』は思う▲1957年に池田勇人が創設した際、陽明学者の安岡正篤命名。「高光のに休息し、以て宏池に臨む」。余裕しゃくしゃくたる様子を表すという▲裏金事件を巡り、岸田派は元会計責任者が立件された。首相は「事務的ミス」と釈明。突然の解散は「余裕ある様子」どころか、政権の危機に追い込まれての転換にみえる▲党総裁でありながら残る派閥に解散を呼びかけない。自ら責任を取ろうとしない▲事務方が一存で多額の違法行為を判断していたなどとは誰も思うまい▲宏池会、2000年の「加藤の乱」を思い起こす。党のあり方を変えようとした挑戦だった▲今度はどうか。まやかしの改革に終わらぬよう目を凝らして吟味したい、にわか派閥解消劇の行方だ。

 (私は)知りたい。何のために刷新するのか、改革するのか。自分の身のあり方をどうするのか。目に見える変化を作り出して、中身は変えないのか。沢山の抜け道をつくって、現状を維持しようと、各自エネルギーを使っているのか。自ずから野に下し一から再出発する力はないのか。

*画像は2024年1月18日朝日新聞より。