秋はどこへと『金口木舌(240928琉球新報)』は思う▼晩夏から冬まで東京に長期出張した時、秋になると国会議事堂周辺のイチョウの葉が黄色に色づく。早朝に風が吹くと、はらはらと宙を舞う葉が朝日に照らされ、きらきらと輝く。靴で踏んづけたギンナンの臭いにさえ秋があった▼「新北風」(ミーニシ)、沖縄の秋の風物詩。渡り鳥のサシバと共に涼しさを運ぶ風を「新しい」と表現した昔の沖縄の人に親近感が沸く▼気象予報士の島尻勝さんは沖縄気象台に勤務していた頃、気温や風速でミーニシを定義したが、温暖化の影響で基準が当てはまらなくなっていると▼秋分を越えたが、朝晩は涼しさを感じるが日中はまだ暑い。温暖化の影響ならば…。沖縄から秋が遠のいていく気がしてならない。
(私たちは)この温暖化現象の中で、いかに生活していくべきか。来週の火曜日には衣替えだが、まだ当分、サマースーツだろうか。タンスに寝ていた上着の出番だろうか。日々、気温が上がったり下がったりだ。そして、我が家の食卓には秋刀魚が到来した。気仙沼から沢山送られてきた秋刀魚攻めに、秋を強制的に感じている。
