発達障害に『雷鳴抄(240929下野新聞)』は思う▼芥川賞受賞作家の柴崎友香さんは、発達障害の一つであるADHD(注意欠陥多動症)。新刊「あらゆることは今起こる」(医学書院)に過去の体験や自身の内面をつづる▼部屋の掃除が苦手、頭の中でさまざまなことが思い浮かび動けなくなる-。そんな柴崎さんと同じADHDの女子高生2人の困難や希望を描く映画「ノルマル17歳。-わたしたちはADHD-」を鑑賞▼ノルマルはフランス語で「ノーマル(普通)」。監督の北宗羽介さんは「発達障害の背景にある『普通の社会』とは何か。それを考えるきっかけになれば」と▼発達障害者支援法成立から今年で20年。誰一人生きづらさを抱えない寛容で「普通」な社会の大切さを、柴崎さんと映画は教えてくれている。
(私は)思う。列車普通とはなんであろうか。各駅停車が普通で、快速や急行は普通ではない。普通列車、普通預金、普通席、普通の家庭、普通の人ーー。普通って何であろうか。皆それぞれに特殊であるのに、普通、メジャーなグループができあがる。そして、できるだけ普通であろうとする。それが普通なのか。何が普通なのか。