食卓の残り物に『有明抄(241217佐賀新聞)』は思う◆猫の好物といえば「お魚」。インドの猫はカレー好き、イタリアの猫はスパゲティに目がないらしい。何のことはない、身近な人間が与えた残り物を食べる習慣があっただけのこと◆近ごろはキャットフード市場の隆盛で、猫は残り物に目もくれない。まさかそのせいでもなかろうが、国連機関の推計では2022年、全世界の家庭で1日10億食以上が捨てられた。うち日本で廃棄されたのは1日約4800万食◆忘年会シーズン、食品ロスを減らそうと、厚労省は飲食店で食べ残した「持ち帰り」の衛生指針案をまとめた◆コラムニスト天野祐吉さん、〈ご飯を食べ残すのは、「もったいない」んじゃなくて、「みっともない」んだよ。思想じゃなくて美意識なの〉。食事とは生き方まで問われる場でもある。
（私が）子供のころ、親の故郷で猫を飼っていた。その猫たちは基本自力でネズミを捕る。そして、お残りをいただいたり、私たちの食事中に愛想よく寄ってきたものである。ところが今の猫はキャットフードしか食べない。従って、私たちはお残しは駄目であるから、食べられる量の食事を準備することである。外食も同じ、食べる量だけ注文する。そうしたいものである。
