メーカーは今、文具女子と呼ばれる存在に熱視線を送ると『あぶくま抄(241021福島民報)』は語る▼パイロットコーポレーションは、書いた文字をゴムでこすって消せるボールペンを開発。ボールペンで勉強する習慣がある欧州の子どもには、うってつけ。日本旅行の土産として長く人気を集めている。ぺんてるの水性サインペンは、宇宙飛行士に重宝された。毛細管現象によってインクをペン先の芯に吸い上げ、無重力でも使用できる▼使いやすさ、美しさを評価し、交流サイト(SNS)を通して新たなブームを生み出している。その日の気分に合わせて筆記具を選ぶ▼デジタル化が急速に進む昨今、アナログの日用品が魅力を放つのはなぜだろう。手のひらでずっと温め、思いを書き留めてきた「誼[よしみ]」がきっとあるから。どんな消しゴムでも消せはしまい。
(私は)超アナログである。軽い鉛筆があれば良い。ゴリゴリ削って使う。最近は0.7ミリ芯のシャープペンシルが出てきたので、それを使うようになった。どこへでも書ける鉛筆とカードあれば、知的生産が始められる。絵にはならぬが、半世紀ほど変わらぬ間柄、昔からの誼である。魅力が減らな日用品だ。