防ぎうる悲劇を、繰り返してきた過ち。世を挙げてそれを断ち切らねば

  • (日経/春秋)1968年に文部省は、集団登下校の注意点について通達を出した。増えるクルマが生活道路にもあふれ、対策が迫られていた時代だ。それから40年余。交通事故の死者は大きく減り、自動車の安全性も向上したけれど通学路の悲劇は絶えることがない。おとといの京都府亀岡市の惨事を知り、ほぼ1年前には、栃木県鹿沼市で小学生6人が亡くなったのを思い出した方も多かろう。こんな愚か者はどんなに非難したってしきれないのだが、こうなったら防衛策を真剣に考えねばなるまい。子どもの安全のための手立てが、かえって危険を招きもする。かつての文部省の通達だって、じつは交通事情に応じて集団登下校を判断するよう求めていたのだ。防ぎうる悲劇を、繰り返してきた過ち。世を挙げてそれを断ち切らねば、犠牲者も浮かばれない。=>(JN)愚かな者もそうでない者も、子供の時が大事だ。その時に、自分たちには何が大切なのか、命は死によって終わることの現実を知らねばならない。登下校の仕方が問題ではない。

(12・4・25)
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE6E2E5E5E2E4EAE2E0E7E2E6E0E2E3E09F9FEAE2E2E2;n=96948D819A938D96E08D8D8D8D8D