- (日経/春秋)東日本大震災で打ち上げられた巨大な漁船を、ひと目見ようとする人々が足を運ぶ。被災地のことを忘れないでくれと願い、船がその手がかりになると分かっていても「私たちの家を壊していった光景を思い出すんです」と地元の方。保存か撤去か、心が揺れる。ある仮設住宅団地では小さなプレハブのコンビニエンスストアに客が絶えない。復興工事には国費が投入され、請け負う人々が全国から集まり、繁華街がにぎわう。前年比という、数字の上での「個人消費の好調」。その陰で失われたものを思う。=>(JN)失われたものを忘れたいが、忘れてしまうと惨事が繰り返されることになる。記録を大切に残したい。それは体験していない人たちのためにも。