- (日経/春秋)「裁判について考える」という谷口正孝元最高裁判事(故人)の著書がある。裁判を考えるスタートラインに戻りたいときは読み返している。裁判とは国民の基本的人権、自由を公権力から守るためのものだ。だから国民に裁判を受ける権利があるのであり、裁判官は検察官に対し厳しい批判者の姿勢を貫かねばならない、という主張である。そのスタートラインに立って小沢一郎民主党元代表の判決を読む。強制起訴だって公権力の行使に違いはない。裁判所が「無罪」という答えを出したこと、加えてそもそもの検察の捜査手法を批判したことに、何の不思議もない。被告が誰であろうが……。スタートラインに立つとはそういうことである。=>(JN)三権分立、日本では意識が弱い。御上の力が絶対にならないように。(12・4・27)