- (日経/春秋)最後というのは、肖像画のこと。日銀本店の旧館にある通称「松の廊下」には、24枚の歴代総裁の顔が並んでいる。高額の制作費がやり玉にあがり、三重野氏の後は一人も描かれていない。バブルと戦った「平成の鬼平」は、とりわけ厳しい顔つきに見える。金融緩和の判断が遅れ、政治家や財界人から「頑迷」と呼ばれても、あの憮然(ぶぜん)とした表情で圧力に抗し続けた。目先の人気にとらわれない気骨の人でもあった。バブル退治の正義漢として世間に称賛された後に、一転してデフレの張本人と批判されたのは不本意だったに違いない。泉下では心おきなく笑ってほしい。デフレ脱却を願いつつ、三重野氏の冥福を祈る。=>(JN)人の顔をとやかく言うのはご批判を受けるかもしれないが、今の日銀総裁の御顔はお優しい。こういう職は強面が良い。