自分の目が目の役目を果たしていないか身にしみる

  • (日経/春秋)この画家の絵を見つめ、いかに自分の目が目の役目を果たしていないか身にしみる。「セザンヌ展」は、そんな展覧会である。セザンヌは言っている。「画家は、自らのうちで先入主の声をすっかりだまらせなくてはいけない」。「色はまるで自分たちが望んでいる通りに、気ままに折り合いをつけていく」というそのままの色が画布にのっている。「自然に触れると目が鍛えられる」。絵をさんざん見つめ、そんな一言に背を押されて展覧会を後にすれば、自然が足早に移ろいつつある季節だ。芽吹いた木々の若葉が、同じ緑でもいかに気ままな色なのかに気づいたりする。目が目の役目を果たそうと張り切っているのが分かる。=>(JN)残念ながら自分には絵を見る力が全くない。見たときに、「これは良いな、好いな」と感じる絵がある。それだけである。先入観も、理由づけもない。そして、その絵は当分の間、脳裏に残り、他のものが見えなくなる。

http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE6E2E7EBEAE7EBE2E0E2E2E6E0E2E3E09F9FEAE2E2E2;n=96948D819A938D96E08D8D8D8D8D