香港に中国が差し出した傘は住民に黒い影を落とした

香港に中国が差し出した傘は住民に黒い影を落とした
 日経「春秋」(2015/6/20)は、「香港行政長官選挙の改革案を中国が差し出した大きな傘とし、晴れ間を求める住民に黒い影を落としたという。雨に傘であれば、それは元時代の詩人、薩都剌の「雨傘」の通り便利さを讃える。しかし、その詩句には風刺も含む。政治・権力も傘と同様に重宝だが、使う人次第で晴天を覆い隠すなど逆に働く。だから扱いには注意が要るという。民主派を締め出し「一国二制度」をじわじわ骨抜きにする。先は見えない。昨年、学生らが民主化デモの象徴に掲げた傘は催涙弾で傷つき、破れたままなのだろう。中国の傘を完全にはねのけ、自前の政治ができる力もまだない。詩人の言う通り、傘の効用は使い方次第で大きく変わる。」
 中国政府としては、香港を甘やかしておけない。香港の経済も魅力であり、如何に政府としてコントロールをして行くか、そのために大きな黒い傘を香港に被せて行くのであろう。しかし、人も経済も、力強いものは自由を求める。力ある人は、自分の意志に従い行動する。資本は、政治で抑えようとしても、アメーバの如く広がって行く。それを力づくで押さえれば、抵抗が爆発するか、抑え込みが勝てば香港の魅力は無くなる。それでも良いのであろうか。方や、そこから東に目を向ければ、我が日本。最近は、男性も日傘をさす世の中、また雨多き日本、傘が無くては生活ができない。そして、パックスアメリカーナーという傘の下で安穏としながら、沖縄に黒い傘を引き続き被せて行くのであろうか。