パスカルは思いつく、それは世界初の公共交通機関

(日経「春秋」2014/6/21付) パスカルといえば、「考える人」。沈思し続け「人間は考える葦(あし)である」と説いた。39歳で没した天才は数学、物理の法則を見つけ計算器も発明する。晩年は信仰に生き、貧者の救済に腐心していた。あるとき、思いつく、それは世界初の公共交通機関といわれる乗合馬車だ。それまで貴族が独占していた乗り物を一般市民に有料で開放し、もうけは慈善にあてる。会社を設立し1662年、パリで定期路線を開業。市民が殺到し大成功した。これが現代のバスの起源となる。そのはるか子孫の観光バスが千客万来で困っているという。外国人の訪日が急増して車両が足りない。運転手不足も深刻で、修学旅行にも支障が出ている。昨年、外国人の訪日が初めて1千万人を超えた。政府は東京五輪の2020年に2倍に増やす目標を掲げる。必要なのは、東京だけでなく地方へも広く旅できる環境だろう。旅行者も事業者も満足できる一石二鳥の妙案を考え出したい。
(JN) 就職難でありながら人手不足が発生する。経済理論のように、資本は簡単に計算通りに動いてくれない。特に、労働力という資本は、簡単に生産することができない。では増やすにはどうすれば良いのか。こういったことにパスカルは、どのようなグッドアイディアを生むのであろうか。法律を変えないとできないが、ロボットに運転を頼んではどうだろう。融通は利かないが、安全かもしれない。50年前、未来の21世紀は、そんな世界であると想像したが、夢ではないだろう。2014年では無理だとしても、2020年にはできないか。完全ロボット化が無理なら、ロートル運転手とロボットによるバス運行だ。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO73100560R20C14A6MM8000/