送金の際などの本人確認をより強める法律の案

(日経「春秋」2014/10/18付) 銀行の窓口でムッ!としてしまった経験はないだろうか。自分の口座からお金を送るだけなのに、目的やら何やら詳しく聞かれる。「あなたは、本当にあなたですか?」というふうに疑われたり。こんな思いをする人が、ひょっとするとこの先増えるかもしれない。テロやマネーロンダリング資金洗浄)を監視する国際組織が、「日本の対策は甘い」と改善を迫っているからだ。政府は送金の際などの本人確認をより強める法律の案を作って、国会に出した。資金洗浄を罰するという考え方自体、そもそも日本にはなかったものだ。日本の対応はいつも遅れ気味で、たびたび注文をつけられてきた。幸いなことに、国際テロの脅威を欧米ほどには実感しないですんでいることも、歩みの遅い理由であろう。だが世界に目を転じれば、過激派の「イスラム国」とのせめぎ合いなど、国際社会はテロとの戦いの真っ最中である。国際社会の一員として連携していくほか道はない。そのためだと思えば、窓口で用意する書類が増え、待ち時間がいくらか延びたとしても、よしとすべきなのだろう。
(JN) お金が価値の尺度で、血液でもあるこの資本主義、の今、その中核は金融機関である。いわば、金融機関は、脳味噌でもあり心臓でもあろうか。その金融機関は、これまで私たちには大変なじみがあり、親切で身近であった。それは、まだ日本が世界から割と閉ざされていたからであろうが、現在社会はそうはいかず、海外から様々な資本が紛れ込んでくる。手を変え品を変え、架空の人物の講座取引が行われる。今は、その架空の者たちは私たちの脅威にどの程度なっているのかわからないが、回り回って私たち一般市民の生活を脅かして行くのであろうか。守ることは手間がかかる。信用のありがたさを感ずることになろう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO78569430Y4A011C1MM8000/