2024-01-01から1年間の記事一覧

春の足音が日ごとに大きくなるのに 240320

桜の開花時期が迫るいまを『水や空(240319長崎新聞)』は思う▼全国のトップを切りそうなのは福岡、高知、名古屋の20日で東京は21日。札幌は4月27日で、釧路は5月13日。日本列島の縦長を実感する季節▲テレビからカキンと心地よい金属音が。春の選抜高校野球が…

政治は言葉だ 240319

岸田文雄首相等の言い回しに『天風録(240319中國新聞)』は思う▲政治で肝心要のことは何か。孔子は答える。「必ずや名を正さんか」。渋沢栄一はこう読んだ。言葉を正しく使うのが統治の礎だと▲安っぽい「丁寧な説明」も「火の玉」となる決意も、化けの皮が剥…

旅立ちと別れを演出する駅 240318

16日からのJRダイヤ改正に『天風録(240316中國新聞)』は思う▼「東京で見る雪はこれが最後―」。「なごり雪」を伊勢正三さんが世に出し、今週で50年▲思い描いたのは東京の駅ではない。古里の日豊本線津久見駅をモチーフ▲かつて上京の玄関口だった九州の在来線…

あらゆる手を尽くし、物価高を上回る賃上げを実現する 240317

予算の審議が続く国会に『あぶくま抄(240317福島民報)』は思う▼小学生の伝次郎君は、政治の動きに関心を。家族に報告。「お父さんの給料が上がるよ。総理大臣が国会で説明したんだ。『あらゆる手を尽くし、物価高を上回る賃上げを実現する』って」▼またある…

古里にある店で 240316

巣立ちの春に『筆洗(240315)』は外食を思う▼ハンバーガーチェーンの新CMはなかなか秀逸。上京した若い女性が慣れぬ都会で店を見かけて入り、ほっとする▼「何もかもが違う街。でもここは地元と同じ匂いがした」▼規模は劣るが、特定の地でのみ味わえる外食チェ…

春眠暁を覚えず 240315

本日の「世界睡眠デー」に『有明抄(240315佐賀新聞)』は眠りを思う◆1日の睡眠時間を8時間とすれば、人生の3分の1は寝ていることに。睡眠の良しあしは人生を大きく左右◆「世界睡眠デー」は、毎年、3月の第3金曜日に。睡眠時間は長ければいいわけではない。ぐ…

果てのない円周率のように 240314

数学の日に『あぶくま抄(240314福島民報)』は政治の難題に思う▼円周率にちなみ、数学の日。正確には3.141592…と永遠に続く無理数▼導き出したとされるのは、アルキメデスは、王冠が純金かどうか、それと同じ重さの純金を用意し、別々に水槽に沈めた。王冠の方…

日本の品位が疑われかねない 240313

自民党和歌山県連が昨年11月に主催した会合について『談話室(240313山形新聞)』は思う▼今年の米大リーグ開幕戦、韓国で行われるドジャース対パドレス戦映画の祭典アカデミー賞で「君たちはどう生きるか」と「ゴジラ-1.0」が、受賞の快挙を果たした。野球に…

読書メモ 240312

『移動縁が変える地域社会 関係人口を超えて』、敷田麻実(編著)、森重昌之(編著)、影山裕樹(編著)、2023年12月、水曜社。・「移動できることは、私たちを豊かに、また自由に生きていくための条件」・移動縁は、血縁、地縁、社会縁もなく、共通するなに…

問うべきは私たち自身 240311

13年前そしていまを『天声人語(240311)』は思う▼宮城県女川町を見下ろす丘の上で、これを書いています▼東日本大震災の1カ月後に、ここから見た光景を思い出します。あなたをさらった津波。街全体が沈み、道は海の中に続いているかのようです▼原発に重大事故…

東京大空襲 240310

79年前のきょうを『天声人語(240310)』は思う▼9歳の少女の目の前には、誰もが黒く、服はズタズタ、「人間じゃない顔」▼米軍はなぜ、そんな非道な殺戮をしたのか▼母、姉、妹もなくなった。父は早くに亡くなっていた。一人きりの彼女は親戚に預けられた▼大人に…

日本は今月、国連安全保障理事会で議長国を 240309

新潟市の映画館シネ・ウインドで15日まで上映される「ガザ 素顔の日常」を『日報抄(240308新潟日報)』は思う▼新潟の浜辺から見る夕焼けは自慢の一つだ▼パレスチナ自治区ガザは地中海に面する。大きなオレンジに似た、かの地の夕日も息をのむ美しさだ。イスラ…

お金で解決できる問題はない 240308

裏金の問題に『金口木舌(240307琉球新報)』はお金の魔力を思う▼「お金で解決できる問題はない」と、金融教育家の田内学さん(「きみのお金は誰のため」)▼「お金を使うとき、受け取ってくれる人がいる。その人が働いてくれるから問題は解決する」▼人々がお金…

一つだけ使えるとしたら? 240307

投資の新NISAに『あぶくま抄(240305福島民報)』は思う▼一つだけ使えるとしたら? 「どこでもドア」か「タケコプター」か―。ドラえもんが繰り出す「ひみつ道具」。子どもでなくても、わくわくする▼2千種類近くあるともされる。何不自由ない暮らしが手に…

弥生時代から貧富の差出始める 240306

株価が史上最高値を記録したことに『北斗星(240306秋田魁新報)』は思う▼中学1年時のノート、久々にページを開く▼社会科のノート、目に留まったのは弥生時代の特徴を箇条書きにしている所。「貧富の差出始める」との記述▼米の生産力を高めて財を成していく有…

適量を守りつつ 240305

夜の街に繰り出す機会も増えるころを『談話室4(240304山形新聞)』は思う▼日々の晩酌が楽しみな身には見過ごせないガイドラインである▼女性なら、ビール中瓶1本、日本酒なら1合。ウイスキーではダブル1杯に相当する。男性ならこの倍まで。指針では飲酒の合間…

金平糖のような 240304

花粉症への対策に『天風録(240303中國新聞)』は思う▲江戸時代、イネの花を顕微鏡で見た農学者大蔵永常はこう記す。「黄色なる至極細かなる球にして、周面に細かなるものつきてかたち金平糖のごとし」。日本で最初の花粉の観察記録らしい▲大蔵も金平糖のごと…

電撃出席 240303

岸田文雄首相のサプライズ対応、でも肝心な全容解明には程遠かったと『明窓(240303山陰中央新報)』▼国民が知りたいのは誰がなぜ裏金づくりを指示したのかや、派閥幹部の関与の有無、裏金の使い道だ▼「永田町の常識は世間の非常識」、公平性に疑問の声が上が…

水爆ブラボーの実験 240302

1946年3月1日の「第五福竜丸」のビキニ環礁での被爆に『天声人語(240301)』は思う▼水着のビキニはなぜ、ビキニなのか。1946年7月、肌の露出が極端に多い最新モデルが登場した▼フランス人のデザイナーは、太平洋からのニュースに心を奪われていた。ビキニ命名…

水爆ブラボーの実験 240302

1946年3月1日の「第五福竜丸」のビキニ環礁での被爆に『天声人語(240301)』は思う▼水着のビキニはなぜ、ビキニなのか。1946年7月、肌の露出が極端に多い最新モデルが登場した▼フランス人のデザイナーは、太平洋からのニュースに心を奪われていた。ビキニ命名…

読書メモ 240301

『リヒャルト・ヴァーグナーの苦悩と偉大 他一遍』、Thomas Mann、青木順三(訳)、1991年6月、岩波書店。・ヴァーグナーの力とは何か。二つの力、心理学と神話。両者を合一すること。・「ラインの黄金」の序曲、バフバスフォゴットの変ホ音の始まり、原細胞…

不要不急とは何なのか 240229

自民党議員の裏金リストに『天声人語(240228)』は改めて怒りが湧いてくると▼この国で、大事にされる日常とはなんだ。不要不急とは何なのか▼小田嶋隆さんいわく、天皇誕生日の式典であり、音楽や演劇といったイベントであり、プロスポーツの試合▼では必要不可…

人もクマも平穏に暮らせるようになるチケット 240228

マーラーは早朝決まった時間に起きると、すぐに森の中の作曲小屋に入るのが日課だったと『編集日記(240226福島民友)』はクマの目覚めを思う▼マーラーは朝食を取った後は正午まで作曲に集中した。家族はその間、小屋に犬の鳴き声が響かないよう、近所の人にオ…

読書メモ 240227

『痛風の文化史 Gout』、Roy Porter、G.S.Rousseau、石塚久郎(訳)、青柳伸子(訳)、2023年12月、作品社。痛風とは人々にとって何であったのか?なぜ、足や膝に発症するのか、未だに明らかになっていない。上流階級の病気? 贅沢病?ニュートンも悩まされ…

パクス・アメリカーナ崩壊 240226

国内の分断・対立は、米国の世界覇権の後退を招くと『大観小観(240225伊勢新聞)』は米国を思う▼ギボン『ローマ帝国衰亡史』では、ローマの繁栄は新市民となった移民が支えたが、ゲルマン民族などが帝国内部に深く入り込むと、分断と対立が激化してパクス・ロ…

猫オフィス 240225

ペットとどう過ごすべきか、年初から悩ましい事態が続くと『春秋(240225)』▼俳人の金子兜太さんが、オフィスで猫を放し飼いにしたらどうかと。靴にじゃれついたり、膝に座って来客に対応したり。職場が和むと▼でも、動物が苦手な人も。ましてや非常時ともな…

株価に見合う豊かさを 240224

日経平均が1989年の史上最高値を超えたことに『春秋(240223)』は思う▼デビッド・ボウイは冷戦を象徴するベルリンの壁の近くでコンサートを開いた。歌った曲は「ヒーローズ」▼壁の向こう側の東ドイツではこのとき、ボウイの歌を聴こうとたくさんの市民が集ま…

 コンサート・メモ 240223

マーラー:交響曲第10番 嬰へ長調(デリック・クック補筆版)』・東京都交響楽団、指揮/エリアフ・インバル・日時:2024年2月22日(木) 14:00開演・場所:東京芸術劇場コンサートホール ・インバル、金管楽器を抑え気味か。長い、重い、疲れた。マーラーが…

読書メモ 240222

『老いの生き方』、鶴見俊輔(編著)、2021年11月、筑摩書房。老年になっても判断を退化させるな。新たなことにトライせよ。学びも、趣味も、止めない。過去を守るな。

旅立つ若者たちに幸あれ 240221

卒業シーズンに『天声人語(240220)』は思う▼『ドラえもん』ののび太は、何度もつまづきながら、決して人生をあきらめな▼作者の藤子・F・不二雄さん、「挫折しても明るく夢を見続ける『自分を見捨てない人』に共感してほしい」と▼卒業からの一歩で残りの人生…