『市場社会と人間の自由』、Karl Polanyi、(若森みどり、植村邦彦、若森章孝)訳、2012年9月、大月書店。
?「効率と自由という問題の二つの極に関して、貨幣という装置は不可欠である。このことは、消費の自由、すなわち個人的選択の自由については広く認められている。しかし、財政・金融の媒体として貨幣は、社会全体にとって同じような重要性を獲得するだろう。[市場経済の興隆によって]衰退せられた人間社会の他の重要な領域に生産を関係づけようとするならば、教育や統治、防衛、健康、通信、旅行、研究、芸術や趣味、自然、自由な私生活といった文化的領域に経済手段を誘導するために財政に依存するところが大きい。」