もっと速く? 241002

 東海道新幹線開業60年に『水と空(241002長崎新聞)』は思う▲時に恋心を乗せ、時に旅心を乗せて新幹線は疾走。その“第1走者”が東京と大阪の間を駆けたのは、昭和の東京五輪の直前だった▲当時は世界最速の「夢の超特急」と呼ばれ、在来線で6時間半かかっていた東京-新大阪間を4時間で結んだ▲開業のころ、新幹線で心弾む旅に出られたのは少数だったろう。今は無理でも、いつの日か…。ささやかな夢を燃料に、人々は高度成長期の坂道を上り続けたのかもしれない▲〈「もっと速く」と叱咤されしや疲れたる車体の眠る新幹線基地〉宮野哲子。西九州新幹線もまた、全線フル規格の実現という「もっと速く」の夢を追う。第1走者が駆けてから60年、私たちは今なお「夢の超特急」を待っている。
 (私は)思う。そんなに速く走ることが必要なのか。更に速くと、リニアモーターカーの開発も進めているが、その必要性があるのか。力を注ぐ方向がこれで良いのだろうか。まだ、日本列島改造論が続いているのか。派手な新幹線よりも、身近なローカル線を大事にすることはできないのか。