何から逃げたいかや、逃げたい時のやり過ごし方などを書きだそう 240901

 新学期に『筆洗(240831)』は思う▼作家北方謙三さんの人生相談『試みの地平線』があった▼「生きるのが限界で自殺のことを考えています」という悩みに、「50冊読むまでは死ぬな。50冊読んでみて、それでも死にたいと思ったら、また手紙をくれ」▼9月、学校が始まる。学校が嫌なら逃げていいと唱える活動「#逃げ活」を展開する団体もある▼何から逃げたいかや、逃げたい時のやり過ごし方などを書きだす作業を勧め、必要な台紙なども提供する。ゲーム、昼寝、散歩など、それで命をつなぐ戦略は「本50冊」回答と同じ▼北方さん、「俺は小説が世の中の役に立つなんて考えたことはないが、死にたがっている人間を止めるぐらいの時間を与えることはできると思う」。堂々と逃げていい。
 (私は)悩んだら書く。思いついたら書く。欲しいものを書く。わからないから書く。天才のまねして書く。悩んでいなくても書く。落書きを書く。SNSを書く。どうでもいいことを書く。書いてみると、知らないことわからないことだらけであるこの苦しみから逃げるためにまた書く。書き続けよう、生き続けよう。
*画像はレオナルド・ダ・ヴィンチの買い物リスト(『レオナルド・ダ・ヴィンチを旅する』別冊太陽、2019年5月)。