『#痛恨の記憶を』<2022年11月13日(日)>
岸田文雄首相の原発回帰について『南風録(221112南日本新聞)』は思う。顔は覚えているのに、俳優の名前が出てこない。スーパーに行って肝心の物を買い忘れる。老化が早すぎないかと気にしていたら、物忘れは脳の進歩という捉え方を知って元気が出た。脳神経外科医・岩立康男さんの著書「忘れる脳力」によると、脳は重要でない情報を消去しながら大切な記憶を維持し、深く考える力を高めていくのだという。社会にも維持すべき大事な記憶がある。例えば、東日本大震災と福島第1原発事故。だが、岸田文雄首相の指示で原発回帰に大きくかじが切られようとしている。脳は強い恐怖など情動を動かした出来事は忘れにくいそうだ。原子炉が制御不能に陥ったあの日の福島第1の姿は、絶望感や無力感とともに多くの人の目に焼き付いている。政策の担い手が痛恨の記憶を消し去っては困る。
(私は)何度、四倉の海岸の画像を出しているだろうか。見たくない残骸である。その場に立った時は、津波から1年以上経過しての現状に驚いた。この北では、もっと見たくない惨事があった。原発事故から10年を経過し、その恐怖を私たちは忘れてしまったのか。人は時間とともに記憶を失う。また誤った記憶を起こす。そうのためにも、大事な過去のことを繰り返し確認することが必要だろう。
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