『道で勝手に遊んでいても子供がそれとなくみんなに守られていた世から、ずいぶん遠くへ来たようである』<2019年5月31日(金)>
「明治初めに来日したドイツ人学者は街を遊び場にする子供の群れに目を奪われた」。『余録』(190531)は嘗て日本では子供たちが大人から大事にされていたことを思う。「明治以前の子供だらけの街中はともかく、昭和の放課後の原っぱでの遊びを思い出す世代にも何やら別の星に来てしまったような話である。子供が犠牲となる事故や事件が相次ぐ昨今、まずは危険から子供を守るのを優先せざるをえない。道で勝手に遊んでいても子供がそれとなくみんなに守られていた世から、ずいぶん遠くへ来たようである」。
(JN) 半世紀前は確かに子どもの活動の舞台は屋外であった。公園などもなかったから、道や荒れ地がその舞台であった。そこに様々な遊び(ゲーム)があり、ゴルフのようにハンディキャップがあり、性別年齢を超えての闘いがあった。そこへ突然、御用聞きのお兄ちゃんが入って来て、更に盛り上がる。そして、度を超すとどこからともなく、うるさ型が現れる。子どもの世界は守られていたのであろうか。それが、世の中窮屈になり、自動車は増え、道から子供たちは追い出されてのであろうか。その過程に何があっただろうか。