『防疫の垣には穴のなきよう心してほしい。』<2018年9月22日(土)>
「岐阜市で確認された野生のイノシシの豚コレラ感染を受け、岐阜県は養豚場などへのイノシシの侵入を防ぐ電気柵の貸与を始めた」と『余録』(180922)は伝える。その昔は「鹿垣、猪垣などと書く『ししがき』は田畑への獣の侵入を防ぐ石垣や土手、木や竹で編んだ垣だ。歳時記には『数十キロに及ぶものもあった』とあるからすごい。・・・県内のイノシシは2万数千頭と推定され、感染拡大が心配である。<猪垣の崩れかけたる空青し 林徹>。葉も色づき始めた静かな山村の情景が浮かぶが、今は『崩れかけ』の一言が心を落ち着かなくする。イノシシには罪はないが、防疫の垣には穴のなきよう心してほしい」。
(JN) ニワトリたちの鳥インフルエンザは、自由に空を舞う野生の鳥が運んで来よう。では、とんコレラは誰が運んできたのか。どんな経路で伝わって来たのか。そして、養豚場近隣に生息するイノシシが感染している。養豚場は封鎖できても、野生のイノシシはそれができない。彼らからの感染が今後、どのように日本に広がってゆくのか。人間には感染の心配がないというが、一体、養豚場にとっては大変である。これから野生のイノシシが感染源となり、日本中に広がる恐れはないのであろうか。今後、感染ルートを明確にしていかねばならないが、明らかにできるのであろうか。『余録』は「イノシシに罪はない」と記しているが、イノシシから伝わってくる可能性はないのであろうか。