『父に想う、父の日』
今日、父の日、「筆洗」(東京新聞/16/6/19)は、米映画の「黄昏」とフォンダ親子を引き合いに出す。「長い間、仲たがいしている父と娘がいる。父と娘を演じたのはヘンリー・フォンダとジェーン・フォンダ親子である。この二人、映画と同じように確執が続いていた。仲直りを考えたのは娘の方だった。『黄昏』を読んで映画化の権利を買った。あの場面で、父親が演技以上の涙を見せたことに『もう何もいらないと思った』そうだ。和解できた。今日は、父の日である。『元気?』。ただ一本、電話すれば十分だろう。」
父が亡くなって思うのだが、過去の人々が言っていたように、孝行したいときに親はいない。親孝行をどう捉えるかだが、私はとにかく、父親のその人生を聴きたかった。戦前、戦中、戦後そして高度成長に、何を考え、何をどう選択してきたのか。山間の農家の次男で兄弟妹が7人、長男は満州開拓に行き、次男ではあったが長男として期待をされながら、それを押し切り海軍航空隊を志願し、特攻隊の道に進む。血気盛んな青年であったのか、知りたかった。黄昏時になる前に親孝行をしなければならない。幸い義理の父が健在である。戦後に一代で日本橋に店を築いた義父のその歴史を辿りたい。(JN)