『3人家族』

『3人家族』<2018年7月13日(金)>
 「3人家族」、今なら一人っ子家族を思うが、1960年代後半のドラマは違っていた。『春秋』(180713)は山田太一さんのドラマ「3人家族」を紹介し、家族構成を思う。「母が亡くなり父親と息子2人の世帯と、その逆に、父が蒸発して母親と娘2人の家庭。2つの家族のつながりの物語である。・・・戦後のベビーブームの後に、合計特殊出生率が2.1前後・・・。やがて第2次ベビーブームが訪れ、その終焉とともに出生率は落ち込んでいった。・・・日本人の総人口は9年連続で減った。・・・ドラマ『3人家族』は男所帯の長男と、女所帯の長女が結ばれて終わる。いま後期高齢者になるあの夫婦は、子どもを2人は生んだだろう。その子たちは現在40代後半。子どもは1人か、未婚のままか……。わずか1世代の移動の間に、激変したこの国である」。
 (JN) 昭和50年代までは親戚縁者でいっぱいの時代であったろうか。田舎で冠婚葬祭があり、親と出かける。そこには似た顔の爺さん婆さんからおじさんおばさんがいっぱいいてわからない。向こうも似た顔の子どもがいっぱいでわからなかったろう。「お前は誰の子だい?」と聞かれる。田舎だけではない。東京でも「きょうだい会」なるものをすると、長男以外は東京へ出て来ているので、五家族20名ほどが集まった。数年に一度は互いの健康を喜び、互いに助け合ってきた。高度経済成長の時代はそうであった。成熟期に入った日本、否、衰退期であろうか、今後どうなるのか。家族などの存在しなくなるのだろうか。