『英仏海峡濃霧――欧州大陸孤立』

英仏海峡濃霧――欧州大陸孤立』
 「島国妄想」、英国について「春秋」(日経/16/6/18)は危ぶむ。「安全を守ってくれるのは長い海岸線であり、大陸はただ迷惑なだけだ。残留派の下院議員が殺された。議論は過熱気味だったから、事件の背景に移民流入やEUが政策を決めることへの不満、大帝国への郷愁などがあったのかもしれない。離脱となると他国も同調する。そういえば大英帝国勲章を受けたアガサ・クリスティーの代表作の舞台も島だった。登場人物が次々に殺され『そして誰もいなくなった』。英国が孤立を選べば、EUを似た状況に陥れる。」
 EUという共同体は大きく、それぞれのお国事情が異なり、その維持は大変であるが、それを推し進めて行くのが人類の知恵であろう。また分裂して、キナ臭くなりはしないか。孤立すると、その国の中だけでの市場ではやっていけなくなるので、領地を広げなければならなくなる。植民地主義を目指すのか。また、孤立により国外のことがわからなくなり、国民は政府の情報にコントロールされることになる。自由が無くならないのか。英国は重商主義を経て、自由主義の時代に栄えた。英国が栄えるためには、どうすべきか、国民は妄想にとらわれずに考えてもらいたい。(JN)