『苦労したからこそ学歴や資格では得られないものを持っている。』
「余録(毎日新聞/2015/12/20)」は、障害のある子を支援する「ベストサポート」は竹嶋信洋さんを紹介する。「障害のある子はとかく体験が少ない。聞いてみると、海を知らない子が7割もいた。たしかに海で安全を守るのは大変だ。それでも楽しいことをさせたくて、船をチャーターして海上から花火を見た。今、福祉現場は人手不足にあえいでいる。大学で福祉を学んでも別の職業を選ぶ人、すぐに離職する人は多い。現場が必要とするのは知識よりコミュニケーションや問題解決の能力、思いやりや協調性と言われる。人材の需給でミスマッチが起きているのだ。」
人は苦労しないと、苦労がわからない。話だけでは理解できない。きれいごとを言ったり、予算の若干のバラマキでは、いつまで経っても、福祉の仕事をする者は多くならない。障害のある人たちの苦労をやがて歳とともに皆がその苦労をするようになる。若者は減り、介護が必要な老人が増加していく。この福祉活動は、国民全員が行わなければならないことではないか。その昔、議員立法で教員免許状取得のために介護等体験が義務付けれられた時には、現場に迷惑と考えたことがあったが、否、1週間ほどの見学のような体験でどうするのかとも考える。国民全員が介護支援者になるべきである。一定年齢の者に、徴兵ならぬ徴集介護制度などをすべきかもしれない。そのためには、「思いやりと協調性」を養うことをせねばならない。(JN)