『「日本全国この堺の町より安全なところはない」…』
「イエズス会の宣教師ビレラは1562年にここより安全なところはないと言わせた堺市で、市の全有権者68万人の個人情報がインターネットに公開されてしまった」。このような情報流出事件について、「余録」(毎日新聞/2015/12/16)は、「外からのサイバー攻撃にはそれを防ぐ環濠があったかもしれない。だが職員の持ち出しを防ぐ木戸はなかったらしい。ずさんな情報管理も、発覚後の調査の甘さも、事の重大さを理解していなかったゆえだろう。個人情報の悪用は確認されていないが、市民の不安を操る詐欺師にも用心せねばならない。マイナンバーの運用も始まる今、もう一度全国の自治体で点検してもらいたい情報管理の環濠や木戸である」と警告する。
情報システムは管理運営が行き届いていても、人間の手で情報が外に漏れてしまう。このシステムは、どんどん整備されて人間の一度や二度のミスでも情報漏洩をしないようになるであろう。しかし、それでも情報は洩れるであろう。それは、人間の欲望というその能力が犯す行為である。枠の中で収まることを望まぬ者が、何かを求めて情報を持ち出そうとする。であるから、そうさせないために、対策を行う。それを乗り越えようと、更なる試みが行われる。鼬ごっこは続くのであろう。個人情報の管理とは大変難しいものである。そういった方々所業とは別に、まずは各自、情報漏れが起きないように机の上をきれいにしましょうか。年末のお仕事に加えましょう。(JN)