『文化財の一部を無断で切り取っていた問題』

文化財の一部を無断で切り取っていた問題』<2019年6月6日(木)>

 「岩手県立博物館(盛岡市)の男性学芸員が自治体から保存処理を依頼された金属製の小刀やクギなどの文化財の一部を無断で切り取っていた問題」について、『筆洗』(190606)は「Wの悲劇」という。「『保存方法を決める際に、状態を精査するためだった』と博物館側は釈明するが、こうした措置は所有者の許可が大前提。・・・傷つけられたのは国民全体のお宝ともいうべき文化財である。・・・博物館側は切り取りの事実を長く公表してこなかった。切り取りに加えて、隠蔽があったとしたら二重の失態であり、号泣の『Wの悲劇』である」。

 (JN) 保存すべきものを如何にそのままにしておきながら、その分析もしたい。個人の専門家・研究者としてはその究明により、明らかなことが出てくると信じ、その分析を正当化したい。しかし、個人の考えでやってはならぬことである。組織が管理し、その施設と時代の能力を考えて行わねばならない。研究者の驕りは許されない。それを組織がまた隠ぺいをしていたというWエラーである。1つのエラーについて、バックアップをとりチームとしてそのエラーを未然に防ぐか、最小限のものにせねばならない。ここには個人の問題とこの組織の問題を明確にせねばならない。

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