適切な競争があってこそ、業界の健全な発展がある

(日経「春秋」2015/1/30付) 音楽ビジネスで成功したリチャード・ブランソン氏がヴァージン・アトランティック航空を立ち上げたのは1984年だ。5年後、バブル景気にわく日本にも直行便を就航。エコノミークラスへの個人テレビ設置など先駆的なサービスで人々を驚かせた。そのヴァージンが2月1日で日本から撤退する。日本でも東急グループを率いた五島昇氏が、各地に所有する観光拠点を結ぶ航空会社を夢みた。大手2社と対抗すべく東亜国内航空(後の日本エアシステム)を育てたが、経営不振から日本航空に合流。業界は2社体制に逆戻りし、いまに至っている。やはり国内航空に第3勢力がほしい。そんな声を受け、ベンチャー起業家などが98年に運航を始めたスカイマーク民事再生法の適用を申請した。近年誕生した他の新会社も、次々と大手の陣営に入っている。安全を保ちつつ適切な競争があってこそ、業界の健全な発展がある。スカイマークは、昔の輝きを取り戻せるか。
(JN) そこに定まった市場がある限り、それを握っている大きい強いものが生き残る。奇襲攻撃をかけて、一時的に勝ち上がる新規参入者はいるが、小物は何れ消えて行く。独占寡占は、価格競争を無くし、企業の思うところとなり、消費者にとっては困る。独占は、JR北海道ように腐敗を生み、点検の手抜きから事故を起こす。また、過激な競争は、JR西日本のような運転事故を起こすこともあり、従業員が苦しむ。この資本主義社会は、皆が幸せになることがない。世界で見れば、巨大なアメリカ資本に対して、様々な不満の矢が向けられている。力の偏りは、不満を呼び、それが爆発してしまうことがある。暴力的争いは真っ平御免だ。適切な自由と平等、そして友愛が持てる社会を維持できないものか。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO82578650Q5A130C1MM8000/