心乱れるばかりだった1月の言葉から

(朝日「天声人語」2015年1月31日) パリの週刊新聞社やユダヤ系スーパーを襲った惨劇。日本人2人を盾にした「イスラム国」の卑劣な脅迫。エジプト出身のアルモーメン・アブドーラ東海大准教授(40)は言う。「イスラム教は平和な宗教。相手に嫌なことをされても寛大な心で許す。それこそが最も大切にしている理念です」。植松秋(みのり)さん(33)は阪神大震災心的外傷後ストレス障害になった。克服して臨床心理士となる。「私は元気で幸せになっていい。ここまで生きてきたのは、それだけですごい」。仲里利信さん(77)は衆院選辺野古反対を掲げ、古巣の候補を破った。「安倍政権が沖縄の民意を無視して強引に進めるなら、琉球独立論に発展していくだろう」。山下泰裕さん(57)にとって斉藤仁(ひとし)さんの54歳の早世を悼む。「柔道界の再生はまだ道半ば。天国から見守って欲しい」。人類学者の川田順造さん(80)の警告だ。「地球に傲慢(ごうまん)になりすぎていないかと自問する謙虚さを取り戻せるかが、人類の未来にかかわって来るでしょう」。一筋の希望か。
(JN) あっという間に1月が終わる。今年の12分の1が終わってしまった。どんなに我々が進歩しても、この時間は取り戻せない。また亡くなった仲間も取り戻せない。信用や沈んでしまった心も、なかなか戻すことはできない。我々人類は、地球上の主役面しているが、狭い地域で啀み合い、地面が揺れれば何もできない。何とか自分たちの立場をよくしようと、それぞれが勝者を目指す。資本や教育には偏りがあり、地球の表面は平等に発展して行かない。人口は、貧しい地域で膨れて行き、裕福な者はその富をさらに大きくして、それを守ることに力を注ぐ。民族や地域の差別は資本の論理ではないが、それに踊らされる人間たちは、自分をより他者より裕福になるために、差別を行う。互いに理解し合うことはできず、戦火が広がり、我々はどうなって行くのであろうか。あと11か月、良い年にするために、お互いを大事にしようではないか。中々謙虚になる事は難しいが、特に、地球は私たちに対して謙虚にもなれないし、気付かってもくれない。従って、私たちは謙虚になり、お互いを気遣い、地球と仲良くすることを考えねばならないはずである。
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