(日経「春秋」2014/2/13付) 「不来方(こずかた)のお城の草に寝ころびて/空に吸はれし/十五の心」(石川啄木)まだまだ子どもに見られるけれど少し大人の感情も宿り、そのアンバランスに自分でも戸惑う――。15歳といえばそういう時期だ。だからこそ怖いもの知らずでもある。ソチ五輪のスノーボード男子ハーフパイプの平野歩夢選手はそんな「十五の心」と、よく鍛えた体とを会場の夜空に誰よりも高く吸わせて「銀」を得た。こういう若者が世界のひのき舞台で悠然と闘って優勝に肉薄した。テレビの前の観客たちはその軽やかな精神に触れ、声をのむばかりだ。これと前後して、ジャンプ会場では17歳の高梨沙羅選手がまさかの失速でメダルを逃し、涙にくれていた。無心の勝利と、重圧下の敗北……。若い、ほんとうに若い人たちの明暗のドラマが胸に迫る五輪だ。遠いソチの空に、大人たちの心も吸われていくのである。
(JN) 私たちは若い十代を大切にしたい。今回メダルを取ったものも、取れなかった者も、人生はこれから50年以上ある。その人生が大事である。壊れやすい若き心をマスコミや一般人は考えなければならない過去の失敗がある。彼らの能力をさらに伸ばすためには、どうすればいよいのか、彼らの家族も含めて守って行かねばならない。まだまだ伸びるポテンシャルいっぱいの若者が羨ましいが、その開発をこちらが強制してはならない。彼らの自由を奪わぬようにすることが肝心だ。これは日本の若者だけでなく、世界中の若者が自由闊達に自分の方向を考え、そして競い合ってほしい。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO66737510T10C14A2MM8000/